ダーク・ファンタジー小説

Re: Chage the world  −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.26 )
日時: 2017/09/23 20:51
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

第3章 真実

11話 自分たちの過去

「なーるほどね。そんな事があったんだ」
「観光とかそっちのけだったんだよ〜」
「それは置いといて、オレ達は次はどこへ行けばいいんだ?」

情報共有という形で俺達はアジトへ戻っていた。
ジェシィはお土産に期待していたようだが、俺達が持ってきたのは土産話。
気分が浮かないジェシィは会話を続けた。

「極寒の地の雪の国。スノーランドだよ。そこでコールドを手に入れてね〜 あと、アジトへ戻らなくても大丈夫だから。そのまま次に行っちゃって。」
「うん。わかった。今度はお土産持ってくるね。」
「よろしくだよ」

ジェシィはどこかへ行ってしまった。
ドアが閉まると同時に院長室の本棚を見ていたオリガが声を上げる。

「どうしたんだ?」
「探し物を見つけたんだ」

取り出されたのは古いノート。
院長直筆のようだった。
開くと手紙が挟まっていた。

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この手紙を読んでいるということは、私はもういないのですね。
このノートは今まで内緒だった(個人情報だからそうですが…)あなた達の過去が載っていますよ。
いいことばかりではありません。ですが、あなた達は知っておくべきです。
自分たちの過去を。

あと、一人一人手紙がかいてあります。
そこには
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手紙が古いせいか文字が消えかかっている。

「院長、こんなやつ残していたのか」
「うん。前に私は見つけて読んだよ。自分のこと、全部じゃないけど知れたんだ」
「じゃあ、読もっか」

そうして最初に出てきたのは、フレイとフレイヤのことだった。

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11話終了です。
ここから先は1話ずつ、みんなの過去についてのお話を書こうと思います。
忙しいので、更新が遅れると思います。
すみません。

お読みいただきありがとうございました

Re: Chage the world  −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.27 )
日時: 2017/09/24 19:13
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

12話 フレイとフレイヤの過去

自身達の過去が書かれているというノートを見つけた俺達は、雪の国へ行くための地下鉄に乗りながらそのノートを読んでいた。

「ふ〜ん、な・る・ほ・ど」
「私が知らない情報まで載ってる…」

2人はじっくり読む。

「まとめると?」

フレイは自慢げに「説明しよう」というと、自らの過去を語り出した。

「俺達は小さな国、スモールランドを治めていたウォーリア王家の生き残りってわけだ。で、スモールランドは帝国により滅びたんだってさ。あの世界をまとめる国レヴェリーの要請で派遣された反乱軍の人……院長は、重症を負った俺達を見つけて引き取ったんだってさ。」
「私とお兄ちゃんはお父さんとお母さんがかばってくれたおかげで生き残れたんだって。記憶にないけど…」

俺は、フレイ達が孤児院にやってきた日のことを思い出した。
当時孤児院にいたのは、俺だけだった。だが、ある日院長に呼ばれて院長室に行ったら頭に包帯を巻きつけたやつと、泣き虫のやつ……フレイとフレイヤがいたんだった。

「ま、そんくらいにしといて次に行こうぜ。」

その次に載っていたのはミントのページだった。

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こんな感じで進めていきます!
では、次回!

Re: Chage the world  −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.28 )
日時: 2017/09/28 20:55
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

13話 ミントとオリガの過去

「ふむふむ。そうだったのね〜」

ミントもじっくりとノートを読む。

「簡潔に言いますと、私には召喚士の血が流れているっぽい。まぁ、出身が召喚士の里だからね。で、帝国により滅びてかろうじて生きてたから孤児院に来たんだって。」
「ってことはほんと小さい頃に会っていたかもね」
「え?」
「だって私の本当の故郷は召喚士の里だもん。ほら、次のページ」

オリガの言う通り次のページへ進む。

「私はさ、お母さんが里の人でお父さんが雪の国の人なんだ。めっちゃ小さい時は里にいたけど5歳くらいになってから雪の国の領地だけどかなりはずれのトコに住んでたんだ。その頃に里が帝国に目つけられて襲われたの。その時に私ら家族もいて逃げたけど跡を追われて両親は殺られちゃったんだって。」
「確かにそう書いてはあるわね。でもなんで……」
「『召喚士はいずれ脅威になる』からだって。」
「……」
「私も詳しいことは知らないんだ。何か忘れているような気がするけど。まっ、次に行こ〜」

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ほとんどセリフの13話終了です。
次はレオンの過去。どんなものなのかッ

お読みいただきありがとうございました。

Re: Chage the world  −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.29 )
日時: 2017/10/02 18:50
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

14話 レオンの過去

「過去を知る時がくるとはな。」

渡されたノートを読む。
そこにはわかりやすく丁寧にまとめてあった。

「俺が……幻獣の民?」
「えぇ? マジの話?」
「こらこら! いくら個室と言ってもここは電車の中ってこと忘れないの! はい、続けて」

俺が幻獣の民だというのは本当なのだろうか。
だとしてもなぜここにいる? 別の次元のはずなのに。

「正直、俺にはよくわからない。過去の記憶がないんだ。だから、ここに書いてある事を頼りに探してみようと思う。」
「どうやってだ?」
「幻獣王オーディンに聞く。どの道会う運命だからな」
「単純だね〜」

『間も無く雪の国〜 雪の国〜 お忘れ物のないように御気を付け下さい』

「さぁ ついたね!」

オリガにとってこの国は、久しぶりに来た故郷だ。
ちょっとテンションが上がっている。
その時だった。

バタンッ!

「フレイヤ、大丈夫?」
「たぶん、大丈夫…」

ミントが駆け寄りフレイヤの首元に手をあてる。

「すごい熱みたい。医者のところへ行った方がいいかも。」

上がっていたのはテンションだけではなかった。
フレイヤはずっと我慢していたらしい。

「休んでいたらよかったのによ。」
「だって、そしたら…」

フレイヤは涙目になっていた。

「よし、わかった。フレイヤ、歩けるか?」
「うん、なんとか」

フレイヤは立ち上がった。

「医者って言ったな。とっておきの奴がこの国にいるんだ。そこでいいか?」
「うん… 私、頑張る!」

俺達は極寒の候の中をフレイヤを気遣いながら医者の元へ急いだ。

Re: Chage the world  −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.30 )
日時: 2017/10/09 22:32
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

また、更新が遅れます。
(作者が今週テストがあるため)

Re: Chage the world  −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.31 )
日時: 2017/10/12 18:10
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

15話 医者の元へ

あれは2年前だっただろうか。
ジンと任務を遂行している途中に俺が負傷したのは。
あの時助けてくれたあの人は、今もいるだろうか。

コンコンとドアを叩く。中からは「はーい、いいよ」という声がした。
通常よりも分厚いドアを開けると暖かい空気が溢れた。
中に入り、フレイヤをベッドに寝かせると声がした。

「お、久しぶりだね。」

奥から出てきたのは白衣の男。
間違いない、あの人……シドさんだ。

「その子が患者さんかな? どれどれ…」

シドさんはフレイヤの様子を見る。

「わかったよ。これは温度差が原因の高熱症。レオン、どこからここに来た?」
「緑の国、反乱軍アジトだ」
「なるほど、なら寝ていれば大丈夫。そっちはあったかいけれどこっちはけっこう寒いでしょ。だから体を暖めるために体温が自然と少し上がるけど、この高熱症はかなり上がるんだ。」
「ふぅ、一安心だな。……で、気になったんだけどよ、レオンと知り合い?」
「そういえば、色々と僕の事を言ってなかったね」

シドさんは一息ついて話を続けた。

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15話終了でーす。
明日テストがあるんでここらへんで。

次回もよろしくお願いします。

Re: Chage the world  −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.32 )
日時: 2017/12/14 18:36
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

16話 より詳しく。

「僕は、シド・メロ。君達の2つ上の19歳さ。今はこうして医者をやっているけど、2年前は帝国の飛空艇部門で設計・製作をしていたんだ。レオンとは旧知の仲的な感じさ」
「なんでここに?」
「追放された…と言うのかな。僕と皇帝が求めていた飛空艇の在り方が違かったんだ。僕は各地を繋ぐ飛空艇を求めていたからさ、皇帝が求めていた戦闘に優れた飛空艇を作れって言われた時にね…… まぁ、死は免れたからいいけど。」

ところどころ笑みを浮かべながらシドさんは自分の事を話してくれた。

「そういえばレオン。君の言っていた仲間達って」
「ここにいる奴らだ」
「奴って、ヒドイぜ」

それから、俺以外の奴はシドさんに自己紹介をした。
シドさんは全部聞いてくれていた。

「みんな、色々とあるんだね。ところで旅しているみたいだけど、目的は?」
「打倒皇帝ってところかな。正確には止めるって訳だけど。」
「皇帝だけじゃ何も変わらないよ。」
「え?」
「君達は知らないようだね。帝国の本当の中を」

シドさんは周りを確認して話してくれた。
帝国の本当の中をより詳しく、見ていた者として。



Re: Chage the world  −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.33 )
日時: 2017/10/27 20:33
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

17話 帝国の中では

「だいたいの事は先輩から聞いたんだ。そのあと僕が独自に調べてわかった事が2つある。」

薬品棚の隣にある本棚からシドさんはとある本を取り出した。
本というよりは、ノートに近く、使い込まれているようだった。

「1つは皇帝について。僕達が入ったときには皇帝が豹変していたっていうけど、実際はわからないんだ。」
「なんで?」
「どこにもいなかったんだ。玉座にも、国にも。だからここ数年は何も起きなかったんだ。」
「へ〜 それで帝国が緩かったんだ。で、行方誰もしらないの?」
「1人だけ知っていると思われる人がいる。皇帝の側近、パナソなんだ。」

確かにあの男は何か知っているようだった。
戦っていてそう伝わってきた。

「色々とあの人、怪しいんだ。急に地位が高くなったり、神話とかに詳しいし。それに……」

『帝国を操っているのは、パナソなんだ。』

シドさん曰く、皇帝が全ての元凶ではないというのだ。

「証拠はあるのか?」
「あるよ。帝国が軍を動かすときは皇帝のOKを貰わないといけないんだけど、貰っていないで動かした事。」
「例えば?」
「召喚士の里を滅ぼしたときとか。全部、パナソの意図なんだ。何を企んでいるかは知らないけど…
ま、1つ目はこんな感じ。」
「じゃあ、2つ目は?」
「2つ目は… また今度。」
「なぜだ?」
「帝国の飛空艇が見えたんだ。だから…」
「そうか、なら行ってくる。女王様のところへ。」
「行ってらっしゃい。気をつけるんだよ。」

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皆さんお久しぶりです。
あまり時間がないのでクオリティが低くて申し訳ございません。
なんとか書きますのでお待ちください。

お読みいただきありがとうございました。

Re: Chage the world  −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.34 )
日時: 2017/11/01 21:26
名前: YCの人 (ID: TdwH/e73)

設定見て思った事・・・

光属性と闇属性はどこに吸収された?

あ、投稿してきました

Re: Chage the world  −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.35 )
日時: 2017/11/01 21:54
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

YCの人さんへ

募集スレにて返信しときました。
光と闇については、忘れていました。
なので光→聖にして追加しときますね。

Re: Chage the world ( No.36 )
日時: 2017/11/05 20:32
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

18話 陛下の様子

「ダメなの?」

俺達はコールドの魔石を得る為に、城へ来た。
しかし、門番が入れてくれないのだ。

「陛下にお許しを貰わなければ行けません。」
「じゃあ、貰ってきて。これ見せれば大丈夫だと思うから」

オリガが取り出したのは形見の槍。群青色に輝くその槍を門番は受け取り、中へ入って行った。
それから約5分。
門番が俺達の前に戻って来た。

「お許しは貰いました。ですが、玉座の間へ行くのはこの槍の持ち主だけにしろとの事です。他の皆様は、応接間にてお待ちください。」

案内され、暖かい応接間へ着いた。
暖炉があり、シャンデリアもある。豪華な部屋だ。

「じゃあ私、行ってくるね」

オリガは玉座の間へ向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

玉座の間までの道のりはかなり近かった。
赤い絨毯はふかふかで、廊下に飾ってある絵画はどれも美しかった。

「ここだよね?」

扉の前にたつ。
呼吸を整えて大きな扉を開いた。

「よく来たな、我が友の娘よ」
「お会いできて光栄です。陛下」
「さて、何しにここへ来おった?」
「魔石を帝国から守るために来ました」
「お主は、その力を正しき道で使えるか?」

そんなの実際になってみないとわかんないじゃん。
そう思いつつ私は会話を続ける。

「必ずとは言えません。ですが、できる限りは尽くします。」

私、変なこと言ったかな?
気まずい沈黙が訪れる。

「私、変なこと言いましたか?」

すると陛下は首を横に振った。そして、ニコッと笑い

「どんな反応をするか楽しみだっただけじゃ。ほい、コールド。そろそろ姿を現したらどうじゃ?」

と言った。
すると白い霧が辺りをおおい、人影が現れた。
指を鳴らす音が聞こえたのと同時に、陛下の隣に水色っぽい肌の女性が現れた。

「あら、大きくなったのね。久しぶり」

コールドだった。

「私、あったことありますっけ?」
「ふふ、小さい頃にね。そして敬語なーし!」

調子のいいお姉さん的な感じだった。

「ヨロシク、コールド。」
「さーて、思いっきり行くわよ! 覚悟しなさい! 王様!」
「え?」

王様と戦う? どうして?

すると、王様の姿が変化した。

「あーあ、つまんないの。もっと狂わせたかったんダケド」

そこに姿を現したのは、赤い瞳に白い髪をはやした女…シトリーだった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

オリガが出て行ってから数分後。
俺達は暇でしょうがなかった。

「暇だよな〜」
「なんか起きないかなぁ〜」

するとドアをノックする音が聞こえた。

「ん? 入っていいよ〜」

ドアを開け、中に入ってきたのは白いドレスを着た少女…次期女王のヴァティだった。

「どうしました?」
「あ、敬語はいいです。旅の方にお願いがあって…」

ヴァティはしっかりと扉を閉めて、話してくれた。

「実は、お父様が最近おかしいのです。」
「どんな感じに?」
「まるで違う人のように… 毎朝やっていたフー太郎とラジオ体操をする事もやってなくて…」
「確かにおかしいな。ここの王様、よくレヴェリーで世界会議した後とかにラジオ体操を死ぬまでやってやるって言ってたのにな」

そんな時だった。
玉座の間の方で金属がぶつかり合う音が聞こえた。

「どうやら、行くしかないようだな。フレイ、ミント、行くぞ」
「もちろんだ!」
「そうだね」

俺達は、ヴァティ姫を守りながら玉座の間へと向かった。

Re: Chage the world ( No.37 )
日時: 2017/11/12 18:57
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

19話 イラつくやつ

「狂わしてどうしたかったの?」

オリガは槍を構えてシトリーに聞く。

「ふふ、ヒ・ミ・ツ」

イラつく。
今までにいろんな人を見てきたが、こんなにもイラついたのは初めてだった。
なんだろう…… あの微笑み方、喋り方と上から目線。
記憶に少しある。

先に攻撃したのはコールドだった。
氷塊をシトリー目掛けて放つ。

それと合わせて私も追撃する。
コールドのおかげで辺りは凍り始めている。
氷属性使いにとっては戦いやすく有利な環境だ。

途中、滑ったりするけど。

「なかなか強いわネ」
「その語尾カタカナにすんのホント、イラつくんだけど」

イラつきで攻撃力が上がっているような気がする。
だが、シトリーには当たるどころかかすりもしない。
シトリーはさっきから避けてばっかりだ。
まるで何かを仕掛けているように。

「きゃぷ〜」

肩に乗っていたフーが酔っているようだった。
さっきからずっと玉座の間をぐるぐるまわっているからだろう。

「フー、柱の影に隠れてたら?」
「ワゥ〜」

ピョンっと肩から飛び降り去っていった。

「そろそろかな」

シトリーは手に魔力をため、コールドに解き放った。

「コールド!!」
「どうやらあたしはここまでのようね… うぅ」

コールドが魔石に戻ってしまった。
その魔石をフーが素早くキャッチして柱の影に隠れた。

「よし、ここで邪魔者はいなくなったわネ〜」
「魔石が目当てじゃないの?」

シトリーは空中に浮き、再び手に魔力をためた。

「そうよ。今回はね」
「じゃあ何しに」


「あなたを攫いにネ」


「え?」

シトリーは魔力を床へ解き放った。
すると、なかったはずの魔法陣が紫色に光だした。

だんだん力がなくなっていく。
ついには、槍を支えにして膝をついてしまうところまでなくなってしまった。
もう立てない。意識だって正常に保てない。


このままシトリーの思惑通りになってしまうの?
イヤだ。絶対、イヤ。悔しいもん。
でも、もうダメかも。やっぱ1対1になるといいことなんて無い。

だから、助けて…… レオン……


そこで意識は消えてしまった。

「やっと落ちたのネ〜 さっさと落ちてしまえばラクなのに」

倒れたオリガを見てシトリーは思う。
『コイツは使う価値がある』と。

扉が開く。
そこにはヴァティ姫とイケメン君。

「ふふ、待っていたわヨ〜 でも、もう時間切れ」

戦いは今度にしましょ。

Re: Chage the world ( No.38 )
日時: 2017/11/12 21:08
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

20話 先へ

「でも、もう時間切れ」

扉を開くと王様の姿はなく、白い髪の女しかいなかった。

「オリガ!? あなた、何したの!」

ミントは鞭を構える。
それと同時にフレイも拳を構える。

「お、お父様は?」

ヴァティ姫が震える声で問う。

「お父様はもういないわヨ。とっくの前からネ」
「え…」

9歳のヴァティ姫には辛かったのだろう。
その場で泣き崩れた。
ミントはヴァティ姫を慰めるように近寄りしゃがんだ。

「さてと、この子は頂いていくわ。次会うときは、どうだろうネ〜」

シトリーが指を鳴らすと倒れていたオリガと共に消えた。

「何事だッ!」

後ろを振り向くと、兵士たちが俺達を囲んでいた。
すると、兵士長らしきものが現れた。

「玉座の間での戦闘行為は禁じられている。よって雪の国憲法64法9条において、貴様達を牢に入れる。」
「ま、まって! この者、た、達は…」
「姫様、ご安心ください」
「ち、違うの…」

ヴァティ姫の言葉を聞かなかったかのように俺達は牢に入れられた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ったく、暇だな」

石造りの牢は暗く、ろうそくの火がついているだけで何も無い。
雪解け水がポタリと天井から漏れる音しかしないので、とてつもなく暇だ。

「なんか起きねぇかな?」
「もうとっくに起きているでしょ、いろんな事が」

そう、決して暇ではない。
オリガは攫われ、牢には入れられ…… などとたくさん起きている。

「なぁ、これからどうすんだ? レオン」
「…」

これからどうするだって?
まずここからでて、オリガを助けて…
ん? その前にここからどうやって出るんだ?
ヴァティ姫はあの調子じゃ言えないし…

「オイ、聞いてんのか?」
「あ、すまない。いろいろ考えてたんだ」
「珍しいね〜 そんなに考えるなんて」

珍しい?
俺はいつもいろんなことを考えているのだが。
ただ、最悪な状況などを考えてしまうのだが……

「でもさ、珍しくもないかも。最近そんなことがなかっただけで」

確かにそうかもな。
最近はそんなことがなかった。いつもアイツ…… オリガが話しかけてくれたから。
アイツは俺を見るとニコッと笑って話しかけてくれた。
時には、それが俺の心の支えになっていた。

「アイツがいないだけで俺は変わるんだな…」
「ん? 急にどうした」
「あ、独り言だ。独り言」

いなくなってから初めて気づく。
それはこんな事なのだろう。

じゃあなんだろうか。
言葉にできなくて、今までに感じた事のないこの気持ちは。

「お兄ちゃん達、元気?」

檻の向こうを見るとフレイヤとシドさんが立っていた。
おまけにフーも。

「ど、どうしたんだ?」
「姫様から聞いたんだ。いろいろあったんだね。」

シドさんは鍵を開けてくれた。

「いいの?もう出て」
「いいってさ。コールドのおかげだからね〜 兵士を説得してくれたんだから」

外にでる。

「全部聞いているのか」
「うん。助けに行くんでしょ」
「あぁ。もちろんだ」
「そうかい、なら行こう。心当たりがあるんだ。だから、ついてっていいかい?」
「シドさんが!? 歓迎しますよ」
「さんはいらないよ。呼びつけでいいから。さぁ、行こう!」

シドが仲間に加わり、オリガを助けに帝国にある研究所へ向かう事にした。

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ミントは、前方を歩くレオン達を見てフレイヤと話していた。

「なんかさ〜 レオンが変わったよね」
「確かに。明るくなったっていうのかなぁ? 」
「そうかもね。オリガのおかげかもね」
「うんうん! 両思いになれるといいね〜 」
「きっとなれると思う!」
「楽しみだなぁ〜 私、こういうの好きだから」

「フレイヤ、遅れてるぞ」
「はーい」

2人は楽しみにしながら前に追いついた
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第3章終了です。
期間が空いてしまってすみません!
(テストやら大会やらいろいろあったので)

第4章では、いろんな事が起きます。
え、何がだって?
1つ言うなら、オリガの恋の発展です。
恋になんの興味の無い作者ですが、頑張ってみます。
暖かい目で見てください。

お読みいただきありがとうございました。