ダーク・ファンタジー小説

Re: Chage the world ( No.36 )
日時: 2017/11/05 20:32
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

18話 陛下の様子

「ダメなの?」

俺達はコールドの魔石を得る為に、城へ来た。
しかし、門番が入れてくれないのだ。

「陛下にお許しを貰わなければ行けません。」
「じゃあ、貰ってきて。これ見せれば大丈夫だと思うから」

オリガが取り出したのは形見の槍。群青色に輝くその槍を門番は受け取り、中へ入って行った。
それから約5分。
門番が俺達の前に戻って来た。

「お許しは貰いました。ですが、玉座の間へ行くのはこの槍の持ち主だけにしろとの事です。他の皆様は、応接間にてお待ちください。」

案内され、暖かい応接間へ着いた。
暖炉があり、シャンデリアもある。豪華な部屋だ。

「じゃあ私、行ってくるね」

オリガは玉座の間へ向かった。

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玉座の間までの道のりはかなり近かった。
赤い絨毯はふかふかで、廊下に飾ってある絵画はどれも美しかった。

「ここだよね?」

扉の前にたつ。
呼吸を整えて大きな扉を開いた。

「よく来たな、我が友の娘よ」
「お会いできて光栄です。陛下」
「さて、何しにここへ来おった?」
「魔石を帝国から守るために来ました」
「お主は、その力を正しき道で使えるか?」

そんなの実際になってみないとわかんないじゃん。
そう思いつつ私は会話を続ける。

「必ずとは言えません。ですが、できる限りは尽くします。」

私、変なこと言ったかな?
気まずい沈黙が訪れる。

「私、変なこと言いましたか?」

すると陛下は首を横に振った。そして、ニコッと笑い

「どんな反応をするか楽しみだっただけじゃ。ほい、コールド。そろそろ姿を現したらどうじゃ?」

と言った。
すると白い霧が辺りをおおい、人影が現れた。
指を鳴らす音が聞こえたのと同時に、陛下の隣に水色っぽい肌の女性が現れた。

「あら、大きくなったのね。久しぶり」

コールドだった。

「私、あったことありますっけ?」
「ふふ、小さい頃にね。そして敬語なーし!」

調子のいいお姉さん的な感じだった。

「ヨロシク、コールド。」
「さーて、思いっきり行くわよ! 覚悟しなさい! 王様!」
「え?」

王様と戦う? どうして?

すると、王様の姿が変化した。

「あーあ、つまんないの。もっと狂わせたかったんダケド」

そこに姿を現したのは、赤い瞳に白い髪をはやした女…シトリーだった。

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オリガが出て行ってから数分後。
俺達は暇でしょうがなかった。

「暇だよな〜」
「なんか起きないかなぁ〜」

するとドアをノックする音が聞こえた。

「ん? 入っていいよ〜」

ドアを開け、中に入ってきたのは白いドレスを着た少女…次期女王のヴァティだった。

「どうしました?」
「あ、敬語はいいです。旅の方にお願いがあって…」

ヴァティはしっかりと扉を閉めて、話してくれた。

「実は、お父様が最近おかしいのです。」
「どんな感じに?」
「まるで違う人のように… 毎朝やっていたフー太郎とラジオ体操をする事もやってなくて…」
「確かにおかしいな。ここの王様、よくレヴェリーで世界会議した後とかにラジオ体操を死ぬまでやってやるって言ってたのにな」

そんな時だった。
玉座の間の方で金属がぶつかり合う音が聞こえた。

「どうやら、行くしかないようだな。フレイ、ミント、行くぞ」
「もちろんだ!」
「そうだね」

俺達は、ヴァティ姫を守りながら玉座の間へと向かった。