ダーク・ファンタジー小説
- Re: Chage the world ( No.37 )
- 日時: 2017/11/12 18:57
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
19話 イラつくやつ
「狂わしてどうしたかったの?」
オリガは槍を構えてシトリーに聞く。
「ふふ、ヒ・ミ・ツ」
イラつく。
今までにいろんな人を見てきたが、こんなにもイラついたのは初めてだった。
なんだろう…… あの微笑み方、喋り方と上から目線。
記憶に少しある。
先に攻撃したのはコールドだった。
氷塊をシトリー目掛けて放つ。
それと合わせて私も追撃する。
コールドのおかげで辺りは凍り始めている。
氷属性使いにとっては戦いやすく有利な環境だ。
途中、滑ったりするけど。
「なかなか強いわネ」
「その語尾カタカナにすんのホント、イラつくんだけど」
イラつきで攻撃力が上がっているような気がする。
だが、シトリーには当たるどころかかすりもしない。
シトリーはさっきから避けてばっかりだ。
まるで何かを仕掛けているように。
「きゃぷ〜」
肩に乗っていたフーが酔っているようだった。
さっきからずっと玉座の間をぐるぐるまわっているからだろう。
「フー、柱の影に隠れてたら?」
「ワゥ〜」
ピョンっと肩から飛び降り去っていった。
「そろそろかな」
シトリーは手に魔力をため、コールドに解き放った。
「コールド!!」
「どうやらあたしはここまでのようね… うぅ」
コールドが魔石に戻ってしまった。
その魔石をフーが素早くキャッチして柱の影に隠れた。
「よし、ここで邪魔者はいなくなったわネ〜」
「魔石が目当てじゃないの?」
シトリーは空中に浮き、再び手に魔力をためた。
「そうよ。今回はね」
「じゃあ何しに」
「あなたを攫いにネ」
「え?」
シトリーは魔力を床へ解き放った。
すると、なかったはずの魔法陣が紫色に光だした。
だんだん力がなくなっていく。
ついには、槍を支えにして膝をついてしまうところまでなくなってしまった。
もう立てない。意識だって正常に保てない。
このままシトリーの思惑通りになってしまうの?
イヤだ。絶対、イヤ。悔しいもん。
でも、もうダメかも。やっぱ1対1になるといいことなんて無い。
だから、助けて…… レオン……
そこで意識は消えてしまった。
「やっと落ちたのネ〜 さっさと落ちてしまえばラクなのに」
倒れたオリガを見てシトリーは思う。
『コイツは使う価値がある』と。
扉が開く。
そこにはヴァティ姫とイケメン君。
「ふふ、待っていたわヨ〜 でも、もう時間切れ」
戦いは今度にしましょ。