ダーク・ファンタジー小説
- Re: Chage the world ( No.38 )
- 日時: 2017/11/12 21:08
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
20話 先へ
「でも、もう時間切れ」
扉を開くと王様の姿はなく、白い髪の女しかいなかった。
「オリガ!? あなた、何したの!」
ミントは鞭を構える。
それと同時にフレイも拳を構える。
「お、お父様は?」
ヴァティ姫が震える声で問う。
「お父様はもういないわヨ。とっくの前からネ」
「え…」
9歳のヴァティ姫には辛かったのだろう。
その場で泣き崩れた。
ミントはヴァティ姫を慰めるように近寄りしゃがんだ。
「さてと、この子は頂いていくわ。次会うときは、どうだろうネ〜」
シトリーが指を鳴らすと倒れていたオリガと共に消えた。
「何事だッ!」
後ろを振り向くと、兵士たちが俺達を囲んでいた。
すると、兵士長らしきものが現れた。
「玉座の間での戦闘行為は禁じられている。よって雪の国憲法64法9条において、貴様達を牢に入れる。」
「ま、まって! この者、た、達は…」
「姫様、ご安心ください」
「ち、違うの…」
ヴァティ姫の言葉を聞かなかったかのように俺達は牢に入れられた。
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「ったく、暇だな」
石造りの牢は暗く、ろうそくの火がついているだけで何も無い。
雪解け水がポタリと天井から漏れる音しかしないので、とてつもなく暇だ。
「なんか起きねぇかな?」
「もうとっくに起きているでしょ、いろんな事が」
そう、決して暇ではない。
オリガは攫われ、牢には入れられ…… などとたくさん起きている。
「なぁ、これからどうすんだ? レオン」
「…」
これからどうするだって?
まずここからでて、オリガを助けて…
ん? その前にここからどうやって出るんだ?
ヴァティ姫はあの調子じゃ言えないし…
「オイ、聞いてんのか?」
「あ、すまない。いろいろ考えてたんだ」
「珍しいね〜 そんなに考えるなんて」
珍しい?
俺はいつもいろんなことを考えているのだが。
ただ、最悪な状況などを考えてしまうのだが……
「でもさ、珍しくもないかも。最近そんなことがなかっただけで」
確かにそうかもな。
最近はそんなことがなかった。いつもアイツ…… オリガが話しかけてくれたから。
アイツは俺を見るとニコッと笑って話しかけてくれた。
時には、それが俺の心の支えになっていた。
「アイツがいないだけで俺は変わるんだな…」
「ん? 急にどうした」
「あ、独り言だ。独り言」
いなくなってから初めて気づく。
それはこんな事なのだろう。
じゃあなんだろうか。
言葉にできなくて、今までに感じた事のないこの気持ちは。
「お兄ちゃん達、元気?」
檻の向こうを見るとフレイヤとシドさんが立っていた。
おまけにフーも。
「ど、どうしたんだ?」
「姫様から聞いたんだ。いろいろあったんだね。」
シドさんは鍵を開けてくれた。
「いいの?もう出て」
「いいってさ。コールドのおかげだからね〜 兵士を説得してくれたんだから」
外にでる。
「全部聞いているのか」
「うん。助けに行くんでしょ」
「あぁ。もちろんだ」
「そうかい、なら行こう。心当たりがあるんだ。だから、ついてっていいかい?」
「シドさんが!? 歓迎しますよ」
「さんはいらないよ。呼びつけでいいから。さぁ、行こう!」
シドが仲間に加わり、オリガを助けに帝国にある研究所へ向かう事にした。
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ミントは、前方を歩くレオン達を見てフレイヤと話していた。
「なんかさ〜 レオンが変わったよね」
「確かに。明るくなったっていうのかなぁ? 」
「そうかもね。オリガのおかげかもね」
「うんうん! 両思いになれるといいね〜 」
「きっとなれると思う!」
「楽しみだなぁ〜 私、こういうの好きだから」
「フレイヤ、遅れてるぞ」
「はーい」
2人は楽しみにしながら前に追いついた
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第3章終了です。
期間が空いてしまってすみません!
(テストやら大会やらいろいろあったので)
第4章では、いろんな事が起きます。
え、何がだって?
1つ言うなら、オリガの恋の発展です。
恋になんの興味の無い作者ですが、頑張ってみます。
暖かい目で見てください。
お読みいただきありがとうございました。