ダーク・ファンタジー小説

Re: Chage the world ( No.43 )
日時: 2017/12/08 22:59
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

23話 より強い力

レオン達が待ち時間を潰している頃…

「やっぱり、どう脱獄すべきかな…」

オリガは、どうやって脱獄するかを考えていた。

扉も窓がなく、時間がわからない密室。
縛られた手。
おまけに武器もない。
脱獄不可とも絶体絶命ともいう状況だった。

「お目覚めかな?」
「!?」

目線を前へ向けると、パナソがたっていた。

「この体勢疲れたんだけど… っていうかなんなのよ!」
「君にはいろいろ聞きたい事があるんだ。」
「なによ」
「単刀直入に言う。君は『世界を変える』気があるかい?」
「意味不なんだけど」
「ならば『神を眠りにつかせる』ってのはどうだい?」
「より難しいんだけど」

『世界を変える』『神を眠りにつかせる』?
さっきからよくわからないことばっかり。

「もっと簡単に言うと?」
「これが最後だ。『より強い力』は欲しいかい?幻獣や神をも超える力を」

『より強い力』か。
それさえあれば、何にでも守れるだろうか。
それさえあれば、みんなに追いつけるだろうか。
それさえあれば、私も強くなれるだろうか。

この提案を受け入れてしまえば、強くなれるだろう。
しかし、それは帝国側… 帝国を、皇帝を動かしているやつの思い通りになってしまう。もしかしたら、利用されるかもしれない。

でも、その『より強い力」を私が利用すれば一石二鳥だ。
例えば帝国に利用されたフリをして力を使えば、帝国を中から変えられるかもしれない。また、ここから出られるかもしれない。

損することよりも得することの方が大きい。
だから、私の出した答えは…

「その『より強い力』もらうことにするよ。」
「覚悟はしているかい。なにが起きても知らないよ」

その言葉、そっくりそのまま返せるような結末にしてやる。

私が頷くと、手を縛っていた縄が消え、足が床に着いた。
しばらく吊るされていたため、歩くということができるだろうか。

「こっちだ。」

ワープしてたどり着いたのは、大ホールだった。
下には大ホール全体に魔法陣が描かれている。
私は魔法陣の中心に行った。

「もう戻れはしないよ。」
「大丈夫」
「フッ。なら始めようか」

魔法陣が紅く光上がる。

「戻れたら奇跡だよ」

パナソのその言葉が聞こえた瞬間、視界が暗くなっていき、後ろに倒れた。
床に背中がつかない。
後ろに倒れ続けているのだ。
まるで深海へと沈むように。
手を伸ばせば差し込んでいるわずかな光に届きそうだけど、
それはできないものになっていた。

自分が自分で無くなるのがわかってくる。
意識が保てなくなってきたから。

次に目がさめる時はいつだろう。
その時は、君と一緒のときがいいな……