ダーク・ファンタジー小説
- Re: Chage the world ( No.48 )
- 日時: 2017/12/28 18:28
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
27話 贈り物
メンダ山脈のふもとにある『ミテス監獄』
石レンガの高い壁に囲まれて、中の様子は分からない。
俺達は、近くのラノリ村に隠れていた。
村長に話をし、最終準備をしていたのだ。
「この村も帝国領だって事を忘れないでね」
村長のおばさんに言われた。
「わかってますよ、こんなに帝都に近いんですから。」
「帝国人って訳ではなさそうだね、あんたら、どこ出身だい?」
「育ったのは緑の国だぜ。出身は違うけど」
「緑の国!? 私の妹を知ってるかもね」
このおばさんの妹が緑の国に?
雰囲気的に当てはまる人がいる。
赤い口紅で、昭和風のあの人。
「もしかして、オバチャンの?」
「そうだよ。そうそう、これ持ってきな」
オバチャンの姉は部屋の奥へ歩いて行くと、開けていない段ボールを取り出して持ってきた。
「あんたら、もしかして反乱軍の子たちかい? オバチャンがこれを今日送ってきたんだ。『来たら渡して』って」
ガムテープを豪快に開ける。
中に入っていたのは、どこかの鍵。
手紙も2つほど入っている。
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よぉ、久しぶりだな。
元気にしてるか? 負けてなんかいねぇか?
ボブやオバチャンからは全部聞いたぞ。
また旅にでたんだな。
再会したかった仲間には出会えたようだな。
たまには来いよ。その仲間と共にな。サービスしてやる。
フー吉も待ってるぞ
んで、本題だ。
おめぇがそこにいるって事は、監獄に用があんだな。
なぜわかるか? さぁな。俺にもわかんねぇ。カンってもんだ。
鍵があったろ?
それ、監獄の使用されてない部屋の鍵だ。
潜入すんなら使え。潜入しねぇなら隠しとけ。
持ってると少し厄介だからな。
感謝すんなら妖精にしろ。
その鍵はいつの間にか店にあったんだ。
前にはなかったのにな。
だから感謝すんなら妖精にしろよ。俺じゃなくて
頑張れよ。フー吉亭 店主リベロ
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1つ目の鍵は、リベロからのものだった。
あいかわらずなんでも妖精のせいにしているようだった。
「リベロさん、元気そうだね」
「元気なかったらこっちが調子狂うけどな」
「2つ目の手紙もあるよ」
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みなさん、お元気ですか?
緑の国兵士団団長のルミネです。
最近はドジってないですよ!!
プレゼントの鍵はリベロさんの手紙で説明されてたと思うので、
私は情報をみなさんにプレゼントします。
昨日までの情報です。
ジェシィさんが持ってきてくれました。
ほとんど監獄についてです。
・監獄には、脱走者用のモンスターがいる。かなり強め。
・パスワードは『ラーメンの具』
・白い部屋は入ったら最後。
・監視カメラの数は5個。指令室で電源OFFにできる。
こんな感じです。
みなさん、絶対に生きて帰ってきてくださいね。
陛下、たまには連絡してあげてください。
ルニルさんが怒ってますよ(笑)
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「あ… やべ…」
フレイは何かを思い出したようだった。
「ルニルさんって?」
「フレイといい感じの人。レヴェリーで働いてるよ」
「そうなんだ〜」
フレイヤはフレイに近ずいていき笑顔で
「女は、怖いよ」
と言った。
潜入という大きなことをやる前に、こんな雰囲気にして良かったのだろうか。
まぁ、フレイは落ち込ませといていいのだが。
「そろそろ深夜の2時だよ。潜入するにはちょうどいいけど、いくのかい?」
「行きます。色々とありがとうございました」
「じゃあいってらっしゃい。気をつけるんだよ。」
オバチャンの姉に見送られて静かに村を去った。
月光のおかげで平原は明るい。モンスターはいるが。
正方形となっている監獄の壁の一つに扉らしき物があった。
そこで鍵を使い、中に入った。