ダーク・ファンタジー小説
- Re: Chage the world ( No.49 )
- 日時: 2018/02/16 09:02
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
28話(1) 潜入
リベロから貰った鍵を使い、ミテス監獄の中へ入った。
扉を開いた先は暗い部屋。少し広く奥にある扉からわずかに光が中へ入っている。
「暗くちゃ何もできねぇだろ」
フレイが魔法を瞬時に詠唱した。
出てきたのは手乗りサイズの火でできている猪。
…ちなみに子供連れだ。
「1人1匹使えばろうそく代わりになる。そんでこの部屋を探索しようぜ」
「そうだね。というかお兄ちゃん、こんなカワイイの作れるんだ…」
火猪(ひのしし)を使い辺りを探索する。
ところどころ蜘蛛の巣やホコリがあったりとこの部屋が使われてないことがよくわかる。
「ワゥ」
「どうした? フー」
「きゃぷ〜」
フーの向く方向に大きな段ボールがあった。
中は… ここの軍服だ。ヘルメットもあるおかげで変装できる。
「これ、使えるな」
「ワゥ」
「どうしたんだ? レオン」
「これ、使えそうだろ?」
「そうだな。さてと」
フレイの持っていた親の火猪の元に子供の火猪が集まる。
それと同時に皆集まる。
「使えそうだね」
「何着あるの?」
「……5着。全員着れるよ。」
「さてと、着替えるか!」
サイズはちょうどいい。
しかし微妙に汗臭かったりホコリ臭かったりした。
「火猪、ありがとな」
火猪が消えた。そしてわずかに光が入ってきている扉により、耳をすませる。
足音はしない。人の気配もしない。
「班に分かれようぜ。指令室に行くのは…」
「僕でいいかな。あと… レオン」
「それで決定だな。んじゃ、いろいろまわるのはオレ達でいいよな」
「え… お兄ちゃんと一緒…」
「ワガママ言わないの。」
「はーい」
扉を開くと誰もいなかった。
ラッキーな事に監視カメラもない。
「オレ達はコッチから行く。じゃあな」
フレイ達は俺達と反対方向にばらけて行った。
「さて、僕たちはあっちだね。指令室は…あそこかな?」
昼か夜かもわからなくなるただ真っ白い廊下。
ヨツバから貰った地図によると、この廊下の突き当たりの部屋が指令室らしい。
「どうやらこのエリアは、ここで働く人の生活のためのエリアのようだね」
「なぜわかるんだ?」
「シャワールームに食堂。生活に必要な施設ばっかりだからさ」
監視兵とすれ違うこともあったが、特に何もなく指令室へついた。
中には誰もいない。これでいいのだろうか。
「これをこうして… よし、電源OFFっと」
モニターに映っていた画面が消える。
「そういえばなんで俺を指名したんだ?」
「単純に言うよ。オリガを助けられそうだから。」
「あいつなら1人でも大丈夫じゃ…」
「違うんだ。今日の…」
シドの言葉が突如鳴った警報で遮られた。
『侵入者発見。侵入者発見。直ちに西入口付近へ移動せよ』
「俺達の事がばれたのか?」
「さっきのモニターを見たとき、僕達とは別に1人いたんだ。きっとその人。」
「君たちも西入口に行って!」
「は、はい」
見回りに来た兵士がこちらにもやってきたようだ。
「レオン、行くんだ。」
「シドは?」
「僕は西入口に行く。怪しまれないようにするためにね。」
「そうか、じゃあ」
「そうそう、望んでいない出会い方をしても決して諦めないでね」
「何のことだ?」
「まぁ、あとで」
シドは出て行った。
さて、俺も行くか。
とりあえず、右に。