ダーク・ファンタジー小説

Re: チェンジ・ザ・ワールド 第1章 ( No.6 )
日時: 2017/08/27 18:07
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

3話 魔石と皇帝と男と

船着場へ着くと、店主がいた。相変わらずの肥満中年だ。

「ん? 船は今の時間は…… って おい、レオンにミントじゃねえか」
「お、オレは…?」
「おぉ フレイもいたのか。 で、何のようだ?」
「船を貸してくれ。急ぎだ」
「お、おう。わかった。ホイよ」

鍵が渡された。

「うおうお一〇九で行け。高速だ」
「ありがとう〜」

一発でわかるほど、うおうおは目立っていた。
サカナのロゴに一〇九と書いてある。

「んじゃ、行くぞ」

エンジンのかかる音がなる。
水しぶきを上げ、うおうおは動き出した。

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灯火の街近くの船着場で降りる。
人の気配が全くない。

「いかにもって感じだな」

灯火の街へ向かう。
門をくぐると景色は一変。
石レンガの建物達は崩れ壊れ、あたりに人が倒れている。

鍛冶屋で有名な街は、帝国により滅びたのだった。

「遅かったの…?」
「いや、ついさっきのようだぜ。」
「まだいる。神殿にきっといる。」

道無き道をひたすら進み、やっと神殿へ着いた。
中は紅い明かりがついている。
これは血なのか、それとももともとなのか。
入り組んだ道を進むと声がした。
声の主は2人いる。

1人は帝国の紋様をマントに取り入れており、いかにも偉い人だ。
そう、その者こそ 皇帝 なのだ。

もう1人は俺達と同じくらいの男だった。
普通な服装で皇帝と一緒にいる事事態が不思議だ。

「これでフェニックスは我々の物。扉の1つは解かれた。」
「陛下、これをあの者達に使ってみてはどうでしょう」

男がこちらを向く。

「いい加減出てきたらどうだい?」

ばれていた。

ならば、取り返すだけだ。

「フェニックスの魔石は返してもらう。」
「フッ、やれ。 パナソよ」

剣を構える。今まで感じた事のない殺気を感じる。
あの男は、俺達を完全に殺る気だ。

男は剣を斬りかかる。それを俺は愛剣 斬鉄剣 で防ぐ。

「なかなかやるようだね。」
「あんたもな」

そんななか、フレイとミントは皇帝を狙う。

「えいっ!」

だが、傷一つもつかない。
すると皇帝は2人に手を向ける。

「くたばるがいい!」

皇帝は紅いオーラをまとっている。
フェニックスの力を使う気だ!

「フレイ、ミント、逃げろ!」
「君は自分の事を考えたら?」

ザシュ

俺は斬られた。
右胸から左脇腹にむかって

「グハァ…ッ!」

立てない。足に力が入らない。
血は流れ続ける。
意識が朦朧とする。

「しまった……」

フレイ、ミントは皇帝の手から放たれた光を近くで受けてしまった。

「マジ… か、よ……」

ミント、フレイは傷だらけになっていた。

このままでは、殺られてしまう。
何か方法は無いのか……
意識が朦朧とする中、必死に考える。

すると、体が暖かい光に包まれた。
これは、回復魔法を使った時に現れる光。
いったい誰が……

「私に、任せて」

温もりのある声が聞こえた。
どこか懐かしいような、聞いた事あるような声が。

「できるかわからないケド、えいっ! 氷剣の舞!」

空気を斬る音が聞こえた。

「ここは一旦引くぞ。」

どうやら皇帝達は逃げたようだ。

「ねぇ大丈夫? レオン! 」
「も〜 お兄ちゃんたらっ オリガ、メェ〜村まで運ぶよ!」

………オリガ?

そこで俺は気を失った。

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これにて3話、終了です。
大怪我を負ったレオン達。はたして、大丈夫なのか?

4話にどうぞご期待ください!
(その間に回想が入るかも……)

お読みいただきありがとうございました。