ダーク・ファンタジー小説
- Re: Change the world ( No.92 )
- 日時: 2018/05/04 21:12
- 名前: 和花。 ◆5RRtZawAKg (ID: qU5F42BG)
44話 幻獣界へ
「これで大丈夫。ほら」
他世界への鍵が輝き、宙に浮く。
そこから放たれた光が湖の真ん中で扉の形となっていく。
「そこを開けば幻獣界だよ。いってらっしゃい」
「うん、行ってきま〜す!」
光の扉に触れると、勝手に開いた。
俺達は迷わず足を踏み出す。
「よっと」
後ろの方で扉が閉まる音がした。
「ここが幻獣界…」
ひとの気配が全くないが、民家のような建物が今まで行った街と同じように並んでいる。
空には満月が浮かび、石造りの城があり、窓から明かりがもれている。
とても静かな場所だった。
「目指すは城ってことか」
「他には何もなさそうだしね」
街灯の明かりが道を照らしている。
その明かりを辿って道なりに歩くと、あっという間に城へついた。
扉の前に立つと、まるで俺達を歓迎するかのように重い音を立てて扉が開いた。
城の中は赤い絨毯が敷かれ、古い洋館のような雰囲気が漂っている。
ロビーと思わしき入ってすぐの場所には、途中で分かれている階段が奥にある。
「ワゥ」
「どーしたの、フー?」
フーがオリガの肩からジャンプして大理石の床に降りる。
こちら側を向いて尻をつけて座り、前脚で手招きをした。
『ついて来い』ということなのだろうか。
伝わったと思ったらしくフーは階段を登り、迷わず右側へ登って行った。
「ワゥ!」
「はいはい、早く来いってことでしょ」
「フぅ」
フーに案内され階段を上り右側へ行くと、細い廊下があった。
松明のように壁にかけられた蝋燭は灯る火は熱さを感じさせず時々揺れ、廊下や同じく壁にかけられている絵画を程よく照らす。
再び階段を上る。
上りきると、左側の道と合流できる場所に出た。
そこはシャンデリアが飾られ、今までの場所より少し豪華だった。
「きゅ〜」
そっちじゃなくてこっち。と言うかのようにフーが俺達が見ていた方向と逆の方向を指差す。
そこには、入り口と同じくらいの扉があった。
いかにも、この先玉座という雰囲気を出している。
「この先が… やっとだな」
「何が待っていても受け止めるしかない。そんな気がしてきたな」
この扉の向こうに、オーディンが待っている。
それぞれの思いを胸に、扉を開いた。
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今回は珍しく1000文字以下のお話とさせていただきました。
…来週、テストがあるんで(涙)
ということで連載遅れます。