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ダーク・ファンタジー小説
- Re: チェンジ・ザ・ワールド 番外編 ( No.8 )
- 日時: 2017/11/04 15:15
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
〜記憶の館編〜 2話
教会の木製の扉をあける。
そこには誰もいないはずなのに、1人の少女が中央に立っていた。
するとこちらに気づいた。
姿は髪と四肢が黒く、指が尖っていてカーディガンに青いミニスカート。
「あなたは誰なの?」
ナキナは生まれて初めて出会った自分以外の人間に近づきながら問いかける。
どんな反応をされるか楽しみだ。
「私はファルナ。ファルナ・レインスター。魔物と人間が融合された成れの果てよ。」
少し表情が暗い。
「どうしてあなたはここにいるの?」
「研究所から逃げてきたの。気づいたら、ここにいた…」
「なるほど、館に導かれたのね」
「え?」
「ここには言い伝えがあるの。『受け入れなき者、館に導かれる』ってね。
だから、こっちへおいで」
言い伝えが本当なら、この子は何かを受け入れ……受け止めていないということになる。
それを手伝うのが、私の役目だった気がする。
「ここは?」
案内したのは、たくさんの本がある部屋。
円となっていて、天井までびっしりと本が敷き詰められている。
ナキナは1つの本を取り出した。
「記憶や想いが宿る本の眠る場所。この本を開いてみて。きっとここに導かれた理由がわかるから」
「う、うん」
ファルナは本を開く。すると本から光が放たれ、あたりを包む。あまりの眩しさに目を閉じた。
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