ダーク・ファンタジー小説
- Re: ノードゥス・ゲーム ( No.2 )
- 日時: 2020/08/05 00:38
- 名前: sol (ID: q4Z4/6rJ)
二話
「......組みましょう」
ふと下の方から声がした。最後の生存の希望に走馬灯は止まった。見ると小さな女の子がこちらを見上げて立っていた。間違いない。俺に言ったんだ。
「俺?大丈夫か?」
尋ねると
「もう周りにあなたしか残ってないからしょうがないじゃない。こんなとこで死ぬよりまし」
即答された。
しかしこの話をつき返すと行き着く先は2人とも死だ。だったら組む他ない
「良いのか?本当に?」
「初めから良いって言ってる」
互いの意思を確認するとすぐにペアを組む画面の指示通りに2人のマイクロチップをかざした。
すると最初の画面に戻って
【ペアが登録されました】
と表示されて、残りギリギリのタイマーは無くなっていた。
その後すぐゲームマスターの立体映像が復活し、
「五分過ぎたので組めてない人には消えていただく事になります」
と言うと同時にさっきと同じように人が消えていく。ペアを高望みしていた人も死んでいったのが遠目から見えた。そして
「これにてここには晴れて組めた方々のみが残っていることになりますね。でしたらまずはペア同士の交流の時間といたしましょう。さあ、これがあなた方の最後の憩いの時になるかもしれませんのでね。大切にいたしますよう。そこの扉から出て振られたペア番号の部屋に行って下さい」
そこの扉と指さされたのは木製の落ち着いた扉だった。
ドアに一番近い人達から入っていくとそこにはホテルのような光景が広がっていた。ペア番号というのはさっきまでタイマーがあったところに新しく出ている番号だろう。9054と書いてあった。木製の扉から入って行って女の子とは終始無言で探してやっと見つけたのが上の表札に9054と書いてある部屋だった。部屋に入ってすわると無言のプレッシャーが襲いかかって来る。
「ねえ、えっと、名前は?俺は鷹城凖也」
と聞くと、横目で見られ、ため息をつかれ、
「山中雪。雪と書いてせつ」
至って端的に教えてくれた。
そこからはもうずっとホログラムにつきっきり。
一旦諦め、俺もホログラムを見る。トップニュースになっていたのは第六感ついに解明!?異能を持つというAさんにインタビューなどという今心底どうでもいい内容だった。その下に一応という形で連続集団誘拐事件のニュース。おそらく俺たちの事だろう。集団誘拐より異能力かと思って深いため息をつく。
すると唐突に
「一応言っとくけど、あなたと慣れ合うつもりも進んで協力するつもりもさらさらないから」
ホログラムから目を離さず、ぶっきらぼうに言われたセリフにとんでもなく驚いた。