ダーク・ファンタジー小説
- Re: ノードゥス・ゲーム ( No.8 )
- 日時: 2020/08/18 00:36
- 名前: sol (ID: q4Z4/6rJ)
7話
「行った...な」
奴らが過ぎ去ってある程度経ってから呟いた。
「そんじゃ!隠れながら自己紹介といきますか!俺、鈴堂光一!18歳!よろしくな!」
全体的に色素の薄い髪に真っ黒いあほ毛が垂れたこの人は一息にこう言って満面の笑みを浮かべた。
「えっと......鷹城凖也、同じく18です」
溢れ出る明るいオーラに少し圧倒されつつ言う。
「なんだ!同い年じゃん!んな敬語とかいいのに。気にしないしむしろやだ」
少し拗ねたように言われた。
「じゃ......まあそう言うことなら......よろしく。えっと......光一」
「おう!よろしく!で、そこの子は?」
「山中雪、16歳」
めんどくさいという気持ちを隠そうともせずに言っているのが丸わかりだった。
「矢沢勘助。19。光一とペアだ。敬語はいい」
最後の担がれてた微妙に長い気がする髪の人が赤い眼鏡をかけ直しつつ言い終わる。
「で......光一は雪を助けてくれたんだよな?」
「そおだよ!それ以外何があんだよ!たっしー!」
明るくハイテンションに言う。が。
「たっしー!?」
「そ!鷹城じゃん?だから!別のがいい?もっと候補はあるけど...」
「いやいい、それでいいよ」
おそらく俺のあだ名候補であろうものを指折り数えながら言っていたがどう考えてもこれが一番マシだった。
「助けてくれたこと自体は感謝してる。ありがとう。でもわたしは貴方達を信用はできない。何が目的でわたしを助けたの?鷹城、あなたはなんでそんな馴れ合ってるの?敵か味方かもわからないのに」
雪が口を開く。一息にそう言い切った。でも俺としては別に光一達を疑うなんて考えは一切なかった。
「目的も何もない。こいつひとりの気まぐれだ」
「信じられない」
勘助はそう言うが、間髪入れず雪は信じないと。
「じゃあさ!協力しよおぜ!四人全員で生き残るんだよ!」
光一はまるで代替え案を出すように言うがまったく代替え案になってないし名案出したぜ!って顔して雪と勘助に白い目で見られるのに一瞬と時間はいらなかった。
「お前は一旦黙っていろ。なんの解決にもならない。まあ......」
こっちを見て勘助は続ける。
「...お前達がそれでいいなら俺は別に構わない」
雪は相変わらず淡々と
「わたしは貴方達を信じる気にはなれない。でもその提案を一蹴するのは少し考えもの。だから鷹城。貴方に任せる」
雪がすぐに断らなかったことに少し驚きつつ、俺は別に断る気もしないし断ろうとも思わない。
「じゃあ......協力するってことで......よろしく、光一、勘助」
「よろしくな!たっしー!」
「......やっぱりね」
協力戦線が確立された。
どうやって戦うかはこれからだが。