ダーク・ファンタジー小説
- Re: スキルワールド ( No.11 )
- 日時: 2019/09/09 22:23
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
友間は今、京八+他の数人のメンバーと共に“眠らない夜の町<歌舞伎町>”に来ている。何故そうなったかと説明を省きたいので、かなり時間を巻き戻させてもらいます。
[〜 4日前 〜]
「君達二人にはちょっとした任務をやってもらいたい」
「「......へっ?、任務.....?」」
「簡単に言えば、京八が友間の確保任務で『目立たず遂行する』、という項目の条件に違反してしまっていた。という事で京八に対しての罰則と、ついでに友間にとって良い経験にもなるという事でそう決まった」
「あ〜〜そんなのアリかよ〜〜」
「まぁまあ京八、任務を済ませちゃえば良い話じゃない?」
「ハァ〜、黒奈....お前ってホント受け入れ早ぇよな」
「ところでボス、任務の内容って何ですか?」
「そうだな、二人には歌舞伎町にあるスキルの悪用に関する組織の壊滅を行うことが“総議会”で決まっている」
「総..議会...?・・・・・・え〜とまず俺達は歌舞伎町の組織の壊め、、、、壊滅ッ!?!、もう一度聞きますけど『組織の壊滅』ですか!??」
「そうだが、何か問題でも?」
「さすがに黒奈も驚いてるようだな、安心しろ俺もお前と一緒の心境だ」
「まぁ私も人の心は持っているつもりだ、なので3名程の助っ人を向かわせよう。くれぐれも失敗のないように頼むよ」
本人なりには出来る限りの優しい表情になり気持ちを楽にさせようとしているらしいが、なにせ目付きが元から鋭いので逆に二人は不安の苦笑いを浮かべるしかない。
少しの不安と少々の悪い予感がしてきたが、二人とも心を奮って気を引き締めたのであった。
- Re: スキルワールド ( No.13 )
- 日時: 2019/09/09 22:45
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
友間と京八の二人の他に『組織の壊滅』に加わるメンバーは一人の少年と二人の少女らしい。そして今から任務遂行を行うメンバーによる軽いミーティングが始められるらしいのだ。
______ガチャッ!
「あっ!、京八だ! 久しぶりだね♪」
最初に入ってきたのは京八と面識のあるらしい少年であった。だが最初に見た時は少女かと見間違いそうになるぐらい可愛いかったので思わず心の中赤面してしまう友間であった。
「おぉ龍紀じゃねぇか!、もう他の任務は終わったのかよ?」
「うん!、僕の役割はいつも後援からのサポートだから、あまり出番がなかったけど.....」
「そうだ黒奈!、紹介するぜ! こいつは榎元 龍紀(えのもと たつき)って言うんだ。しかもスナイパーをしてんだが実力は俺の保証付きだぜ」
「きょ! 京八!?、そんなこと大っぴらに言わないでよ恥ずかしいからあ......」
恥ずかしそうに頬を少し赤めながら言う龍紀はさながら可愛かった。そしてその様子に京八は思わず笑ってしまっていた。
「たくよぉ龍紀、お前の女っぽい所は全然変わんねぇな!」
「京八こそ、僕の気にしてる事を平気で言うのは変わらないんだね」
「まぁそれより龍紀、残りのあと二人って一体誰なんだ?」
「えっ!、ボスからメンバーのこと聞いてないの京八?.....あ〜確かシスティア姉妹だったはずだよ?」
「あ〜姉のジャッキーと妹のシセラかぁ.....」
______ガチャッ!
「へー何よ京八、私に何かクレームでも?」
「うっ!、ジャッキー!?」
「あっ、どうも俺は友間って言います」
「そんな事より、あんた達シセラを見なかった?」
友間の自己紹介を軽く弾き返すとジャッキーは先に来ていた少年ら三人に向けてそう聞いてきた。だが誰も検討がつかずに首を傾けるばかりである。
「いや見てねぇぞジャッキー、お前らいつも一緒なんじゃねぇのか?」
「そう何だけど...。さっきまで私と一緒にいて、ちょっと目を離してたら行方不明になったのよね」
「え〜と.....ジャッキー、さん..?
」
「ジャッキーで良いわよ友間、でっ何?」
「シセラの特徴って何処かありますか?」
「んっ?、まぁ私と同じ白色の髪のショートヘヤーで、病気持ちだから普段から車椅子で移動してるけど.....何?、一緒に探してくれるのかしら?」
「まあ、いちょう手はあります」
それだけ言うと椅子から立ち上がった友間はスタスタと歩いて部屋の壁に触れると片手を壁へと伸ばしたのだった。
「....『性質[コンクリート]』」
すると友間の体は文字通りコンクリートと化していくが、更には壁に触れている友間の片手がコンクリートと徐々に同化していき肘まで壁に飲み込まれてしまっていた。
「お、おい黒奈....これでどうするつもりだよ?」
「これで基地全体の壁とリンクして探し出すつもり......、だけど自信はないかな」
「おいおい締まり悪ぃな黒奈」
果たして成功するのか否か、ちょっとした友間の試みが何かを起こしそうな気が......少しだけします。
- Re: スキルワールド ( No.14 )
- 日時: 2018/04/07 14:53
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
壁に片腕がすっぽり入った状態の友間は意識を基地全体の壁へと張り巡らせていた、すると ・ ・ ・
「んっ!.....あっ!、居たかも!」
「えっ!?、何処何処!?何処なのっ!!?」
「おいおいジャッキー、少しは落ち着けよ」
「うっさい京八ッ!!」
「えーと、話を戻させてもらいますけどシセラらしき人物は通路を移動していて、たぶん迷ってるんだと思います」
「場所はッ! 何処に居るの!?」
「あ、えーと部屋を出てから右に曲がってから左に行ったら......」
「右ね、分かった」
聞き終わるかどうかのタイミングでジャッキーは部屋から走り去って行ってしまったが3分もしない内に車椅子の人物と共に戻ってきた
「ご、ごめんね...お姉ちゃん」
「良いの良いの、あんたが無事なら」
「どうも、友間と言います」
「あっ....どうも、シセラ・システィアと言います」
そう答えるシセラはジャッキーと顔立ちなどは同じだが、男勝りというか活発なジャッキーと比べて真逆な暗めな雰囲気をしていて手に少々ふっくらとした体型の小さな人形を抱えていた
「んっ? (あの人形....誰かに似てるような ・ ・ ・ ?)」
「ど、どうなされましたか?」
「友間、シセラに何かクレームでも?」
「あー.....と..、その人形ってスカルに似てる気がしてさ」
「あぁっ!、スカルだと? あいつの名前は私のいる場所で出すんじゃねぇ!」
「ねぇジャッキー、まだ気にしてるのスカルの事で....」
「龍紀は黙ってて!、あいつのせいで私は50年も時間がずれてんだよ!」
「へっ?、50年....時間がずれる?」
中々の複雑な展開に思わず疑問が飛び出してしまった友間は少し混乱した
「どういう事....、京八?」
「い、いや〜これには俺もさっぱりだぜ黒奈」
「....その説明は俺がするぜ..」
急に荒れかけてきた部屋の中に突如として男の声が聞こえたかと思うと空間に穴が空き、中から宙に浮くスカル本人が現れた
「出やがったなスカル!」
「まずは落ち着けよジャッキー」
「京八には関係ないでしょ!」
「お、お姉ちゃん....落ち着いて」
すると、小声ながらもシセラの一言で部屋の中が静まり還ったのだった
「ふーーー....やっとこれで事情が話せるよ.....、まず最初に言えば俺は悪くないんだよ」
「あぁッ!、もういっぺん言ってみろ!!ギタギタにして肉片にしてやる!」
「お姉ちゃん、シーーー!」
「チッ!、妹の頼みなら ・ ・ ・ ・ 」
「まぁ、簡単に説明すれば『俺の異空間に迷い込んだジャッキーが俺に戦いを挑んできたかと思うと戦い疲れて寝ちゃったんだよね』」
ここで一旦話を止めてジャッキーの様子を伺うとスカルは再び話し出した
「『戦い疲れたジャッキーは中々起きなくて結局起きたのは異空間では数週間後、でも外の世界とは時間の流れが違うから外はもう50年も過ぎちゃってたってわけさ』」
こうしてスカルの言い分が終わると友間は一つだけ思った事があった
「いや!悪いのって結局ジャッキーじゃん!」
「ち、違ぇよ友間!、え〜.......それはだな、あれだよあれ」
「いやいや黒奈の言う通り悪いのってジャッキーじゃん!」
「あ〜はいはい、悪いのは私だって自覚もしてるわよ」
「嘘つけッ!」
そんなこんなで結局はジャッキーが反省するはめになり、言いたい事を言えたスカルはさっさっと異空間に戻っていった
「.....?、ところでジャッキー」
「何よ友間?」
「シセラも、その時いたの?」
「いや、いなかったが?」
「じゃあ、どうしてシセラは異空間に行ってないのに....歳をとってないの?、普通に考えて変な気が...?」
「......はぁ~..、それは ・ ・ ・ 」
- Re: スキルワールド ( No.15 )
- 日時: 2018/06/09 23:27
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
「....それは.....シセラがまだ生まれてなかったからよ」
「「「えっ!?」」」
この場にいた友間・京八・龍紀の三人は驚いた。50年前にはシセラはまだ存在していなかったという事なのか?
「シセラは....、・ ・ ・ 私とは母親が違うの....」
「「「はっ??」」」
再び少年三人は意外な事実に驚いた。確かに顔も容姿も似ている二人が異母姉妹なのだから驚いても無理はない
「私が、スカルの所に迷い込んだのは50年も前の14の時だった。スカルとの一件が起こってスカルはお詫びにと家族の住んでる家に送ってもらったんだけど......」
ジャッキーの口が止まり、唇を噛み悔しみや怒りというどちらも混ざったような表情なりがら話を続けた
「家に返った私には、2つ下の妹ができていた....実の母ではない別の母親の子だったけど私は嬉しかった.....“でも”、義理の母は50年も前から姿の変わってない私を忌み嫌っていた」
ジャッキーの呼吸が少し荒くなり、拳を握る手が小刻みに震える
「あの“女”は!、年老いた父の財産を狙ってるバカ女だった.....既に80を過ぎていた父の体調が悪化していくと私だけじゃなく体の弱いシセラにまで手を挙げるようになった!!....あの時、私の...私の手で殺しておけば!」
「お、おい、ジャッキー、少し落ち着けよ!、黒奈も見てねぇで何とかしろ!」
「あの“女”との生活が始まって1年後....とうとう父が死んだ...それからが悪夢の始まりだった」
その瞬間、ジャッキーだけじゃなくシセラも小刻みに体が震えていた
「そして....私とシセラは逃げ出したの....、でも道端でストラングに保護されて、それから3年が過ぎて今ってわけ....」
「あの....一つ質問いいかな....?」
「何?、友間?」
「君の母お...あ、いや....、義理の母親ってその後どうなったの?」
「勝手に酒飲んだまま運転して死んだらしいわよ.....」
暗い空気が部屋を包み込む、だがそんな空気を打ち破る者が現れた
「ガチャ!)) オイ!お前ら!!、まだミーティング始めてないのかっ!!」
「「「ぼ、ボス!」」」
「さっさっと始めるぞ、この任務では京八の立場も関わってくるからな」
「あ〜!! 俺、何か心配になってきたぁ〜」
「何ビビッてんのよ京八、私があんたの分まで敵を叩きのめしてやるわよ」
「び、ビビッてないしジャッキー!!、俺はお前より多く敵を倒してやるからな」
「ふん、だったらどちらが強いか今からでも決めようじゃないの」
「おうよ、かかって来いや!」
「ま、待ってよ二人とも、喧嘩は良くないよ」
「「龍紀は黙ってな!(黙っててよ!)」」
「ははは、二人とも意外と仲が良いような気が」
「「うるさい!(うるせぇ黒奈!)」」
「お姉ちゃん、それと京八さんも.....落ち着いて...下さい」
[〜そんなこんなで時間は進み〜]
少年少女の合わせて五人は今、真っ昼間の歌舞伎町を歩いていた
「 ヒソ ヒソ )) 確か目的の組織ってここを曲がった所だっけ京八?」
「 ヒソ ヒソ )) そうらしいぜ黒奈」
「 ヒソ ヒソ )) 二人とも組織 組織ってうるさいわよ!、誰が聞いてるかも分からないんだし」
「はいはいジャッキー、気をつけるよ」
「何よ京八!、それが人に対する態度?」
「ほら二人とも、よく“喧嘩するほど仲が良い”って言うでしょ」
「「うっさい龍紀!!」」
そんな感じで意外と仲の良いメンバーはワイワイとしながらも道を歩いていたが、誰かに跡をつけられているとは気付くことが出来なかった
- Re: スキルワールド ( No.16 )
- 日時: 2018/04/11 21:17
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
「 ・ ・ ・ ん.....?....」
「どうした黒奈?、何かあったかぁ〜」
「え..あ、いや何となく後ろに誰かがいた気がしてさ」
「何だよそりゃ、ははは」
「もー二人とも、無駄話してないで行くわよ」
「あーはいはい分かったよジャッキー、黒奈も急ごうぜ」
「そう...だね ・ ・ ・ ・ 、?」
色々と疑問が残りながらも先へと進むため足を進める友間、だが五人の後ろ背を見送る者も確かにいたのだった
[〜少し進んで〜]
「ここが....“例の場所”」
「そうみたいね、友間」
そんな感じで一行が着いた場所は看板に『土神不動産』と書かれた不動産屋の事務所らしき建物だった
「うっし!、じゃあ入ってみんか」
「あ〜京八、ここは一旦待った方がぁ」
「龍紀..?、どうした怖ぇのかよ?」
「いや、そうじゃなくて敵のスキルも分からないまま乗り込むのはマズイんじゃ」
「ならどうするってんだよ?」
「ここは一旦、退いた方が....」
「バカ言うなよ龍紀、男が目の前にあるもん取らずにどうするってんだよ!」
「あーもー男なら静かにしてなさいよ京八!」
「じゃあ、どうするってんだよ?」
「あ....あの私...、私に考えが...」
「お! シセラ、何か考えでもあんのか」
・ ・ ・ ー・
・ ・ ー・ ・
・ ー・ ・ ・
五人全員は一旦、ストラングが用意している少々古い賃貸アパートへと戻ってきた
「でっ黒奈、計画は何だったっけ?」
「はぁー.....だから、夜になったら不動産屋に行ってみて組織の親玉らしき人物の跡を二人ぐらいで追ってみるんだってば」
「あーそうだたっけ、えーと俺とジャッキーで尾行するんだっけ」
「そういう事、気をつけてよ京八」
「任しとけ黒奈、ところで....今って何時だ?」
「ハァー、これは先が思いやられるかも」