ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.15 )
日時: 2018/06/09 23:27
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)


 「....それは.....シセラがまだ生まれてなかったからよ」

 「「「えっ!?」」」

 この場にいた友間・京八・龍紀の三人は驚いた。50年前にはシセラはまだ存在していなかったという事なのか?

 「シセラは....、・ ・ ・ 私とは母親が違うの....」

 「「「はっ??」」」

 再び少年三人は意外な事実に驚いた。確かに顔も容姿も似ている二人が異母姉妹なのだから驚いても無理はない

 「私が、スカルの所に迷い込んだのは50年も前の14の時だった。スカルとの一件が起こってスカルはお詫びにと家族の住んでる家に送ってもらったんだけど......」

 ジャッキーの口が止まり、唇を噛み悔しみや怒りというどちらも混ざったような表情なりがら話を続けた

 「家に返った私には、2つ下の妹ができていた....実の母ではない別の母親の子だったけど私は嬉しかった.....“でも”、義理の母は50年も前から姿の変わってない私を忌み嫌っていた」

 ジャッキーの呼吸が少し荒くなり、拳を握る手が小刻みに震える

 「あの“女”は!、年老いた父の財産を狙ってるバカ女だった.....既に80を過ぎていた父の体調が悪化していくと私だけじゃなく体の弱いシセラにまで手を挙げるようになった!!....あの時、私の...私の手で殺しておけば!」

 「お、おい、ジャッキー、少し落ち着けよ!、黒奈も見てねぇで何とかしろ!」

 「あの“女”との生活が始まって1年後....とうとう父が死んだ...それからが悪夢の始まりだった」

 その瞬間、ジャッキーだけじゃなくシセラも小刻みに体が震えていた

 「そして....私とシセラは逃げ出したの....、でも道端でストラングに保護されて、それから3年が過ぎて今ってわけ....」

 「あの....一つ質問いいかな....?」

 「何?、友間?」

 「君の母お...あ、いや....、義理の母親ってその後どうなったの?」

 「勝手に酒飲んだまま運転して死んだらしいわよ.....」

 暗い空気が部屋を包み込む、だがそんな空気を打ち破る者が現れた

 「ガチャ!)) オイ!お前ら!!、まだミーティング始めてないのかっ!!」

 「「「ぼ、ボス!」」」

 「さっさっと始めるぞ、この任務では京八の立場も関わってくるからな」

 「あ〜!! 俺、何か心配になってきたぁ〜」

 「何ビビッてんのよ京八、私があんたの分まで敵を叩きのめしてやるわよ」

 「び、ビビッてないしジャッキー!!、俺はお前より多く敵を倒してやるからな」

 「ふん、だったらどちらが強いか今からでも決めようじゃないの」

 「おうよ、かかって来いや!」

 「ま、待ってよ二人とも、喧嘩は良くないよ」

 「「龍紀は黙ってな!(黙っててよ!)」」

 「ははは、二人とも意外と仲が良いような気が」

 「「うるさい!(うるせぇ黒奈!)」」

 「お姉ちゃん、それと京八さんも.....落ち着いて...下さい」


 [〜そんなこんなで時間は進み〜]


 少年少女の合わせて五人は今、真っ昼間の歌舞伎町を歩いていた

 「 ヒソ ヒソ )) 確か目的の組織ってここを曲がった所だっけ京八?」

 「 ヒソ ヒソ )) そうらしいぜ黒奈」

 「 ヒソ ヒソ )) 二人とも組織 組織ってうるさいわよ!、誰が聞いてるかも分からないんだし」

 「はいはいジャッキー、気をつけるよ」

 「何よ京八!、それが人に対する態度?」

 「ほら二人とも、よく“喧嘩するほど仲が良い”って言うでしょ」

 「「うっさい龍紀!!」」

 そんな感じで意外と仲の良いメンバーはワイワイとしながらも道を歩いていたが、誰かに跡をつけられているとは気付くことが出来なかった