ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.19 )
日時: 2018/04/19 18:25
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)






  パァンッ! パァンッ!



 ・ ・ ・ ・ 部屋に最初に響いたのは銃声だった、しかしソレは龍紀の持っている銃からの音だった。

 銃弾は二発、侵入してきた敵の眉間と心臓部に的確に命中させ敵の体を後ろへと傾かせたのだった


 「や、やったね龍紀!」

 「.....いや...、まだだよ」

 「へっ ・ ・ ・ 、!?!」

 「あ〜イテテ、頭と胸を迷わず撃つたぁ中々の銃の手慣れようだな」

 敵の男は撃たれた部分を抑えながら立ち上がると撃たれた箇所から手を離すが、何と撃たれた箇所には傷どころか銃弾の跡すら無かった

 「俺のスキルは“特化系の『タフネス』”、つまり俺の体は戦車並みの硬度ってわけよ」

 そんな風にベラベラと自身のスキルを明かす男に対して、龍紀が途中で口を開いた

 「ふ〜ん、特化系のスキルねぇ、ならコレならどう?」


  ・ ・ ・ ・ ジャキ!
 
 ......パァン! パァン!


 今度は男の両膝に当たり、思わず床に膝を着いてしまった男は少し驚いたがすぐに龍紀を睨みつけた

 「やっぱりね、どんなに硬いからって言って表面は守れても銃弾の衝撃は伝わるみたいだね、特に筋肉の少ない関節とかは」

 「それが何だって言うんだよ!?」

 「それは、君に多少のダメージぐらいは与えられるって事だよ」

 「ふん!、ソレが分かった所で無駄だ! ((バッ!! 」

 男は龍紀に向かって飛び出した、だが男の視界の隅に鉄に変化した友間が見えた

 「させるかッ! ((ドガッ!!」

 「グッ!...このガキが!」

 「鉄の拳はさすがに効くみたいですね」

 そんな会話の後、ようやく友間と敵の二人の戦いが始まった

 「バキッ)) ぐッ! クソガキッ!((ドガッ!」

 「何の...これくらい ((バンッ!」

 「友間!、ちょっと下がって!」

 「えっ!龍紀、何で?」

 「いいから、早く!」

 「う、うん分かった」

 「待てガキィ!」

 龍紀に言われるままに友間は狭い部屋の隅へと飛び退くと同時に龍紀が何か丸い物体を敵へと放り投げた


 チ!チ!チ!チ! ....ピカァーッ!!


 眩しい光が友間の目を貫き思わず目を反らす、先程に放り投げられたのは閃光弾だったらしい

 「行くよ!友間とシセラも」

 「え、ちょっ待っ.....」

 龍紀に手を引かれて眩しく光る部屋の中を駆ける友間、そして少しすると三人は外へと勢い良く飛び出した

 「友間!、シセラを抱えられる!?」

 「外に出てどうするの?」

 「部屋の中は狭いし他にも住居者がいるから人に見られない場所に移動しよう」

 「分かった、ちょっと失礼するねシセラ」

 「あ...あ..はい、すみません」


 そうして友間はシセラを背負って龍紀は自身の銃器が入ったスーツケースを抱えると、敵が来る前にアパートを後にした


 [〜少し進んで〜]


 「ハァ ハァ ハァ ハァ 、友間とシセラは大丈夫?」

 「ハァ、ハァ、俺は大丈夫だ、だがちょっとシセラの方を心配した方が良さそうだ」

 「す..すみません、ちょっと....振動に慣れなくて.......」

 慣れないどころか走る友間の背に乗るシセラは顔色がどんどん青紫へと変色していった

 「休ませた方が良いと思うけど、....敵が一人とは限らないからあと少しだけ頑張ってねシセラ、それと友間も」

 「任しといて、体力なら少しは自信があるからさ」

 「は、は..い......うぷっ! ・ ・ ・ 頑張ります」


 色々と危険な状況の友間・シセラ・龍紀、それと行方の分からない京八とジャッキーはこの先どうなってしまうのでしょうかね?