ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.20 )
日時: 2018/04/20 20:04
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 真っ暗な夜道、街灯だけが光照らすだけの人道を急ぐように駆ける三人の姿があった


 「ハァ ハァ ハァ ハァ .....ねぇ龍紀、どこか隠れられそうな場所でも探さない?」

 「ハァ ハァ ハァ ..うん、そうした方が良いね、友間と......それとシセラも含めて」

 「は、はひィ....お願いします..うっ!」

 完全に顔色が青紫になっているシセラは、友間の背で必死になって強烈な吐き気と戦っていた

 「何処が良いかなぁ〜、ん〜......あっ! あそこは友間!?」

 「えっ? てっ、あそこって危険じゃない?」

 そんな事を言う友間の目には暗がりに佇んでいる工事途中の廃墟ビルが見えていた

 「好き嫌いは言えないでしょ、それにシセラもそろそろ楽にしてあげないとね ・ ・ ・ ・」


 [ 〜 廃墟ビル前 〜 ]


 「じ、じゃあ一旦シセラをお願いね」

 そう言って友間はシセラを龍紀に託すと、立ち入り禁止と書かれた看板を無視してビル前に設置されたフェンスをよじ登った

 「ガシャン! ガシャン! )) ヨッ!と、それじゃあシセラをこっちにお願い」

 「うん分かった、ゆっくり受け渡すよ」

 シセラを慎重にフェンス越しで受け取る友間、シセラを受け取ると再び背に乗せるが今度は顔色を確かめてからだ

 「大丈夫、シセラ?」

 「だ...大丈夫......だと...、思います」

 「ん〜、ちょっと心配」

 「そんな流暢なこと言ってないで行くよ、お二人さん ((ガシャン!、トッ!」

 そうして忙しげに廃墟ビルへと入っていく三人、だが安心の一時もあと少しほどしか続かないだろう ・ ・ ・ ・ 。






 「フゥ〜、これで一安心できるぅ〜〜」

 「油断は禁物だよ友間、この町にいる以上は僕達に安全な場所なんて無いんだから......」

 「わ...、私も....そう、思います」

 「ん〜、でも京八とジャッキーの行方が分からないし任務も遂行できてないから基地に戻ることも無理そうだね」

 「そうみたいだね、僕の武器も残ってるとしたらスナイパーライフルと替え玉の弾丸にハンドガン一丁、それと閃光弾と煙幕弾が二つずつってトコだね」

 「なら武器にも限りがあるって事だね、.....あっ! 龍紀さぁ、基地と連絡取って誰か呼べない?」

 「あっ!そっか!.....でも、上手くいくかは分からないよ?」

 「それでも助かる可能があるなら実践あるのみ!.....、・ ・ ・ ・ じゃない?」

 「まぁ.....、それもそうだね♪」

 ビルの床から勢い良く腰を上げた龍紀は自身のポケットからスマホを取り出してドコかに電話をした


 プルル〜 プルル〜

 プルル〜プルル〜


 「 ・ ・ ・ ・ ガチャ!)) あっボス?、えぇ....ちょっと事態が悪化してまして......。」