ダーク・ファンタジー小説
- Re: スキルワールド ( No.27 )
- 日時: 2018/05/08 18:18
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
ここは昨日の夜の歌舞伎町、そんな場所で路地裏を駆け抜ける二人の人物の影があった
「ちょっと京八!、まだ繋がんないの!?」
「何やってんだよ友間!、出てくれよ!出てくれ!」
プルル〜・・・・ プルル〜・・・・
ガチャッ!
「あっ やっと出たか、時間がねぇから手短に説明するが...、見つかった!....いや、俺の行動は敵に知られてたらしい、そっちにも敵が来るかもしれ・・・・。」
京八の頭上から敵が一人降りたってきた、だが避けるも既に敵に囲まれている事に嫌でも気づかされた
「チッ!、敵に囲まれた ((ガチャッ!」
「でっ、伝える事は伝えられたの?
」
「あぁ多分な、あとは状況を打開するだけだ、....スキル『発電』ッ!!」
「あっ京八、ちょっと待って!」
「んっ、こんな時にトイレか?」
「バカッ!、そんなんじゃなくて、その....私..、今はスキルが使えないの・・・・・。」
「あ〜そうだった、お前ってスキル使うのに相手への憎悪が必要だったな」
そんな感じで京八が頭を掻いていると、数枚の刃物がジャッキーへと飛んできた
「ヤベ!、危ねッ!!」
「ガシッ!)) えっ!、きゃッ!」
間一髪でジャッキーを体へと引き寄せた京八は、心の中で安堵の溜め息を吐いた
「ちょ! ちょっと京八!、離して恥ずかしいから!」
「いやいや、そんな事言ってる場合か....!、チッ!」
敵が一斉に襲いかかってきたが顔は隠しているため見えないが体格の大きさは様々だった。
京八は舌打ちを鳴らすと筋肉に電気を流して筋力を強化すると、少し嫌がるジャッキーの腹をしっかり掴んで驚異的なスタートダッシュ決めると敵の網から脱出した
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ハァ、ハァ、ハァ、結構遠くまで逃げたが、敵は撒けたか?」
そう言って周りを見渡しながら建物の陰へと隠れようとする京八、そんな時にジャッキーが口を開いた
「あ、あの......そろそろ..離してくれないかな?」
「お!、おう! 悪ぃ、急いでたからツイな」
そう言って自身を弁護する京八は頬を赤めたジャッキーをゆっくりと地面へ降ろした
「ふー....だけど、敵が私達の行動を知ってたなんて驚きね」
「全くだ、何でだろうな?」
「もしかしたら、最初から私達がいる事を知ってたのかもね」
「と、言うとジャッキー?」
「そうね、だとしたらストラングの基地内から意図的か事故か、どちらかの事情で情報の漏れがあったりして」
「そりゃ無いだろ?、ストラングは外部からも内部からも充分な対策がされてると思うしな・・・・。」
そう京八が反論した時だった、突然として京八はジャッキーを抱き締めるとジャッキーの視界から見えない位置から突風が吹き荒れたのだった
「きゃっ! 何!?、何なの!?」
「お、落ち着け...ジャッキー....。」
そう言ったかと思うとジャッキーの体から崩れ落ちる京八、その背には真っ赤な血が見えた
「あ〜らら、二人まとめて私の『カマイタチ』で体ごと両断しようと思ってたけど一人だけ助かったみたいね」
そう言って現れたのは長い黒髪の女性だった、手には片方ずつに鎌が握られておりジャッキーと比較すると女性の方が有利に見える
「あ....ぁあ......あ..」
ジャッキーは地面に尻もちを着いた、その理由は目の前の女性ではなく京八から流れている血だった
「血....、血...血..血」
「?、ん〜恐怖で頭がイッちゃったかな?」
「血!...血..血..血..血..血..チ..チ..チ・・・・・。」
急に黙り込んだジャッキー、不思議そうに女性が様子を見ているとバッと顔を女性へと向けた
「ア...ァハハハハハハハ!、アァーーハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
何が面白いのか笑い出すジャッキー、そして笑い声が止まると一言だけ言葉を発した
......“復讐劇・血”....。
そして再び笑い出すジャッキー、だが今度はさっきと違うとしたらジャッキーの目が[赤色]から[濃い赤]へと変わった事だ
「な、何よこの子、頭が本当にイカれたみたいね」
そう女性は警戒しながら言うと鎌を顔辺りで構えて豹変したジャッキーと対峙した
- Re: スキルワールド ( No.28 )
- 日時: 2018/05/11 22:00
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
最初に動いたのは女性の方だった、壁を蹴って笑っているジャッキーの後ろを取ると後ろ首に鎌を振り切った
「(早めに決着を着け・・・・・((スカッ!!」
女性が切ったのは何もない空間だった、地面に着地したと同時に後ろから笑い声がし髪を強く引っ張られ首がのけぞる
「ヒャァー!ヒャ!ヒャ!ヒャ!ヒャ!ヒャ!ヒャ!ヒャ!ヒャ!ひゃ!ひゃ!ひゃ!ひゃ!」
どんどんと引っ張る力が強くなる女性はあまりの力に態勢を崩して背から転ぶ、だが髪を引っ張る手は緩むはずもなかった
「痛い! 痛い! 痛い! 離して!! もう離してお願い!!」
「ヒャァー!ヒャ!ヒャ!ヒャ!ヒャ!ヒャ!ひゃー!ひゃ!ひゃ!ひゃ!ひゃ! ((ガシッ!」
ジャッキーの空いてる一方の手が女性の肩を掴んだ、そして女性の髪とは正反対の方向へと押し出した
「ミシ!...ミシ!..)) い...だ....ぃ」
ボギッ!!!!
鈍い音がした直後に女性の首が変にグラグラとするようになった、この様子にジャッキーは興味を無くしたのか女性の死体を背後にポイッと投げ捨てた
「ひャ!ひャ!ひャ!ひャ!ひャ!ひャ!ひャ!....ゲホッ!! ゲホッ!! ゴポッ!!」
急に咳き込むジャッキー、その口元には血が赤々と見えた。かなり体に無茶がある様だ
「ひゃ....ひゃ..ひゃ...ひゃ~....。」
ヨタヨタとした足取りで何処かへと向かおうとするジャッキー、その背後で何かが動いた気がした
「?、....((ガッ!) うっ! ガ..、ガァアアァ〜〜!!」
ジャッキーの首はアームロックで締め付けられジャッキーは体を振るって抵抗する、その実行犯というのが・・・・・・。
「落ち着け!!、元に戻ってくれッ!!」
それは京八だった、怪我を負いながらも締め付ける手だけは緩めまいと奮起し更に両腕に力が入った
「ガアァーアァアアァァァァァーーッ!!」
するとジャッキーの方も両腕から逃れようと倍の力で辺りを蹴散らしながら暴れ回った
「す、“スキル『発電』”、.....悪く...思うなよ。((バチチチッ!!」
「うっ!....うぅ~...ぅ.....((ドサッ!」
力尽きたかの様に倒れ込むジャッキー、京八は気を失っているのを確かめると額を拭って一息着いた
「フー・・・・、ってか背中が痛ィな」
そう言って自身の背を擦ると顔を歪めた後にポケットに無理矢理にネジ込んであったコーラを取って一気に喉へと流し込んだ
- Re: スキルワールド ( No.29 )
- 日時: 2018/05/14 17:27
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
ジャッキーは目が覚めた、ガバッと横になっていた体を起こすと自分の起床に気づいた京八が笑みを投げかけてきた
「ヨッ!、起きたみてぇだな」
「また...私....、やっちゃたんだ・・・・。」
「“やった”って何をだよ?」
「また私は....また....」
「おーいジャッキー、本当に目ぇ覚めてるか?」
京八は一人何かを呟いていたジャッキーの両肩を揺すってみた、するとビクッと驚いた感じでジャッキーがこっちを見た
「私...また..」
「はいはい、そうゆーの省いて何があったんだ?、お前に」
「・・・・・話すと長くなるかもだけど、2年ぐらい前に私の初めての任務があったの...。」
「ほいほい、そんでジャッキー?」
「始めは私も嬉しかったわよ、でも敵の数が情報を遥かに越えた3000人だったの」
「ストラングが情報を間違えるなんて珍しいな?」
「ええそうね、私も最初はそう思ってたけどそうも言ってられなくなったのよね」
「と、言うと?」
「敵に囲まれた、しかも3000人という数にね、まあ当然ながら私達の方が不利でほぼ壊滅の状況まで追い込まれたわ」
「それなのに生きてたのか?」
「ええ、一人の敵を倒した時だった。私の顔に返り血が飛び散ったの、.....そこから後の記憶はないわ」
「で、生きてたと、じゃあ3000人もいた敵はどうなったんだ?」
「よくは分からないんだけど、気がついた時には大勢の死体の山に埋もれてた」
「じゃあ俺ってヤバイ状態のジャッキーを相手にしてたのかよ」
京八は先程のことを振り返って冷や汗が垂れた、だが冷や汗の次に背中からの激痛が襲ってきて顔を歪めた
「いててて、まだ背中が痛ェな」
「あっ 今思ったら、よくアンタって生きてたわね」
「おう、ただあれは少し気絶してたんだよ、それとも俺が死んだと思ったか?」
「まっ、バカは無駄に生命力が強いって言うから思ってなかったわよ」
「何だよソレ!?、俺ってそんなにバカに見えるか?」
「まあそうね、特にバカの最上級の位置にいそうね」
「ハァ〜、お前との口喧嘩は疲れるからやめとくぜ」
そう言って京八は夜空に向かって背伸びした、そしてその後に勢い良く立ち上がった
「まっ、黒奈達の所へでも戻ろうぜ....、いや待てよアイツらの所にも....敵が来てるんじゃねぇか?」
それを聞いたとたんにジャッキーは弾かれたかのように立ち上がった、そしてこう言った
「シセラがいるのよ!、ほら京八!早くシセラの所へ急ぐわよ!」
そう言って無我無中で走り出すジャッキー、その様子に溜め息を吐いた京八は一言呟いてからジャッキーを追って走り出した
「今日はそう簡単には眠れそうにねぇな」