ダーク・ファンタジー小説
- Re: スキルワールド ( No.30 )
- 日時: 2018/05/19 08:53
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
ここは場所が戻って京八、シセラ、友間のいる部屋の中、そして京八の話がちょうど終わったところだった
「......ってな訳だ、そんでこの後がお前らと合流して話は終わりだ」
「は、はは、ジャッキーって恐い一面もあるんだね」
引き笑い気味にそう言う友間、それと引き替えにシセラは落ち着いていた
「お姉ちゃんに......血は見せちゃ...。ダメ...だね・・・・・」
「ああ、俺もそれには同感だ。黒奈もシセラも気をつけような」
そんな時だった、京八の背後にあった玄関の扉が開いたのでシセラを除いた全員がビクッとしたのだが、どうやらジャッキーではなかった
「あんたは何者だ?、いちょう鍵は閉めてたんだが....?」
そうゆう風に警戒しながら質問する京八の目線の先には黄色いフードを目深に被った人物が無言で立っていた
「・・・・・。私は.......いや、それは後にしよう」
発せられた声は可愛らしい少女の声だった、だがどこか人を油断させないオーラを身に纏っていた
「誰だが知らねぇが用があるなら座ってしようぜ」
そう言いながら顔の分からない少女にゆっくりと近づく京八、そして少女の肩を掴もうとした瞬間だった
シュッ! ドガッ!!
一発の拳が刹那の如く速度で京八の体を突いて後ろへ吹き飛ばした、その動きはまさしく達人の域だった
「い、てててて....、急に何しやがんだよ!!」
だが、その言葉が聞こえないかの様に襲いかかる謎の少女、しかし今度のターゲットは友間だった
「えっ!俺!?、『性質<鉄>』」
周りの被害を考えて<炎>を避けて<鉄>にしてみたが、これが吉となるのか凶となるのかは分からない?
ブンッ! スカッ!!
ブン!ブン! スカツ!!
謎の少女はフードで顔が隠れてるのにも関わらずに次々と友間の攻撃を避ける、まるで全身に目でもあるかの様だ
「......私、退屈」
その少女から聞いた瞬間に友間のヤル気スイッチが<オン>になった、そして友間の動きも変わった
シュッ!、シュッ!シュッ!
次の攻撃に移るまでの間隔が狭まった、友間は鉄の重さを活かして次々と遠心力のかかった拳を放った
シュッ!シュッ!シュッ!、......パシンッ!!
少女の体には当たりはしなかった、だけどフードに拳がカスッたことでフードが後ろになびいて少女の顔が露になった
「.......へっ、....(カァ~」
少女の顔は短い黒髪に整った顔立ちで可愛いと友間自身そう思った、すると少女はすぐに頬を赤めて床に小さくなって何かをブツブツと言い出した
「顔見られた、顔見られた、顔見られた、......。」
被り直したフードの布を強く握る様子の少女、友間は何か悪いことをしちゃったかと心配になった
「あ、あの、大丈じょ....。」
「はいはいストップ友間、ここは私が説明するわ」
突然として聞こえたジャッキーの声に顔を玄関へと向ける友間、そこにはジャッキーと龍紀がいたのだった
「おうジャッキーお帰り」
「はいはい京八ただいま、ところで話を戻して説明しなきゃね」
そう言ってジャッキーは小さくなっている謎の少女の頭にフードを透して触れた
- Re: スキルワールド ( No.31 )
- 日時: 2018/05/21 13:28
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
「はい!。じゃあ本題に入るけど、まずコイツの名前は“坂下 灯利(さかした ともり)”、ストラングでは初心者の戦術訓練をやってるの」
「ど、どうも.....。」
もう灯利には最初のような雰囲気は無くなっていて逆に小さくなってシセラのようにジャッキーの横で大人しくなっていた
「あー、いつもは“こんな”じゃないんだけど.....、実は男が全般的に苦手なのよね」
「??、おいおいジャッキー、俺を殴った時は全然そんな感じなかったぞ」
「それはフードで目を隠してたからよ京八、でもホントは極度って言って良いほどに男が苦手らしいのよね」
「は、はい、昔から男の人には慣れなくて、私自身そろそろ慣れたいんだけどね」
そう言ってチラッとフードから部屋の男子勢を見てみた灯利だが、また頬が赤くなってフードで再び顔を覆ってしまった
「ふ〜ん、ならさ京八や友間は置いといて僕はどうなの?」
そう龍紀は自身の顔を指差しながらジャッキーに聞いてみた、するとジャッキーの答える前に灯利から返答が返ってきた
「お、男の子だと意識....しなければ...多分ギリギリ....、大丈夫かと・・・・。」
「へ〜そうなんだ・・・・・ならさ♪、僕のこと男の子じゃなく女の子だと思って接してね」
「は、はい頑張って....みます.....。」
「おっ そうだジャッキー、そういえば俺らってストラングに援助頼んでたよな、その助っ人が灯利なのか?」
「い、いえ京八さん....、私以外に他にも人がいたんですが....道に迷ってしまったみたいで・・・・」
その時だった、ちょうど玄関のドアが勢い良く開いて二人の人物が息を途切らしながら現れた
「おいおい、鍵付きの玄関ドアの存在意義はドコ行っちまったんだ?」
そんな京八の疑問と共に二人の人物は部屋へと入ってきた
- Re: スキルワールド ( No.32 )
- 日時: 2018/05/24 18:26
- 名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)
「ふー、ワリィワリィ、初めて来る場所だから二人して迷っちまったぜ」
笑いながら言っているのは友間が見覚えある人物、そう氷飴 零(ひあめ れい)だ。そしてその横には身長がかなり低くて服装が全身を赤系で統一した少女がいた
「私は東城 蘇芳(とうじょう すおう)、ただのスキルホルダーだよ」
最後の蘇芳の言葉に皆がハテナマークを浮かべたが、これで助っ人合わせて8人が揃った
「でっ、早速だけど今回の任務に関しては何個か壁があるわ」
そう言って言葉を止めるジャッキー、全員の視線が集まったのを確認すると言葉の続きを話し出した
「まず第1に敵の親玉が姿を現さないこと、第2に敵の力量が今だ不明、そして第3にアジトの場所が分からないって事よ」
「じゃあ全く状況は進まずじまいってこと、ジャッキー?」
そう蘇芳に聞かれジャッキーは苦笑いを浮かべてから渋々に返事を返した
「まあ、そうね.....でも、そろそろ私達からも反撃しないとね」
「じゃあヤルのかジャッキー?」
「えぇ京八、いちょう作戦はあるわ」
「「「「「「「作戦....?」」」」」」」
ジャッキーを除いた全員から疑問の一声が飛び出してきた、そして再び全員の視線がジャッキーに集まった
「そっ、簡単に言っちゃえば囮作戦ね」
「やるのは良いが・・・・・、誰が囮をやるんだ?」
「良い質問ね零、それに関してはココにいる友間にやってもらうわ」
「・・・・・・・、エッ!俺がやるの!?」
「大丈夫よ、遠くでは龍紀に援護射撃させるし私達だって少し遠くから様子を伺ってるわ」
「おいおい待てジャッキー!、黒奈にやらせるんなら俺が・・・・。」
「アンタは今は重症人でしょ! ((バシンッ!!」
ジャッキーは不服を申してきた京八の背中を叩いて黙らせると、痛みで動めく京八を無視して友間へと目を向けた
「友間、アンタは私が死んでも守るから安心して囮になって...、良い?」
「ま、待てジャッキー俺はまだ....((バシンッ!!) ぎぃやぁぁああ!!!」
「だ、大丈...夫.....わ、私も絶対....友間さん....。..守る...」
「ほら、シセラもそう言ってるんだからリラックスよ、リラックス」
「わ、分かった・・・・・俺、頑張ってみる」
覚悟を決めた友間だが頭のドコかでは何故か嫌な予感がしてきたが、それを無理に頭から消すと大きな溜め息が一息出てきたのだった