ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.40 )
日時: 2018/08/30 18:40
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)


 友間は目が覚めた、そして自身の体を見てみると炎が赤々と燃えていた


 「?、......あれは夢?、それとも現実?」

 考えてても仕方ないのでスキルを解除する、そして立ち上がろうと床から腰を持ち上げた時だった


 グラッ  ダンッ!


 「・・・・、やっぱり疲れてるな。よこしょッと」

 立ち上がるとまずは辺りを見回してみる、だが何処を見ても来た時と同じで乱雑な風景だった。そこで部屋にある窓から外を覗いてみたところ何と月が高々と昇った真夜中だった

 「ヤッベッ!、早く帰んないと皆に怒られるかも!」

 そう言って忙しげにその場を去っていく友間。だが、そんな友間とは別の意味で慌てている場所があった



 [〜 場所は変わって 〜]



 「.....ん、・・・・ここって...?」

 今ちょうど起きたらしき人物はシセラだった、するとシセラの耳に男性の声が聞こえてきた

 「ハ!ハ!ハ!ハ!ハァー!!、お目覚めかな? お嬢さァーん」

 「・・・・・・、??」


 一応説明しておくが起きたシセラがいたのは場所が分からない真夜中の倉庫の中、そしてそんなシセラは椅子に座っており目の前には変人の如く変人なピエロ風の男がいた


 「・・・・・・、??」

 「・・・・・・、あっ、あの〜」

 「・・・・・え〜と....、はい」

 「意見というかぁ、俺の衣装に対してノーリアクションかい?」

 「あっ...。私...周りと比べて....反応が鈍い.....そうです...。」

 「あ、あ〜とそうなの・・・・・。」

 「はい、・・・・・。」


 変な空気と一緒に少しの間の沈黙タイムが開始された、だが沈黙タイムに耐えられなかったのか謎の男がシセラに話しかけた

 「あのォ〜、僕の素性に対してもノーコメント?」

 「え、え〜と.....誰、...ですか?」

 「あ、その俺は、君を拐った奴の親玉やってるんだけどぉー・・・・・。」


 シセラの静かというか消極的な対応に困惑してるのか頭を掻いた、そして決心を決めたのか変なピエロ衣装を無理矢理に破り脱ぐと堂々と宣言した

 「俺の名前はお前らがお探しの土神、そう土神 新次(どがみ しんじ)だ!。あっ、それと28歳独身で本業で不動産やってて副業で闇商売やってまぁーす」

 「・・・・・そうですか....。」

 「(ちょい待ち、こんな感じの子供に対してどう対応すれば良いのやら)」

 かなり困惑している様子の土神、すると初めてシセラから話しかけてきた

 「えーと....、あの...土神..さん...。」

 「おっ!、何々!?」

 「服...。寒く....ない..ですか..?」

 「へっ ・ ・ ・ ・ 。」

 土神は自分の体の様子を見るために下を見てみた、そして自身が着ていたのが変なピエロみたい衣装だけだったのを思い出した

 「えーと、まず一言謝罪をさせて頂きます。ホンマ失礼しましたッ!!」


 かなり威厳も何も無い土神。本当に悪の組織の親玉なのか?、そして友間たちの結末はどうなってしまうのでしょうかね?

Re: スキルワールド ( No.41 )
日時: 2018/06/17 09:26
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)




 「最近さぁ、何でか社員の反応が冷たくてねぇ〜。しかも今日に限って何故か全員一日休暇をとっちゃってるしさぁ〜」

 「・・・・・色々と....苦労...してます..ね....。」

 「えっ!、分かってくれる!その気持ち!」


 色々と流れが掴みにくいと思うので説明させて頂くが、何でか土神の相談相手にシセラがさせられているという状況である


 「しかもさぁ、裏の方の仕事がとぉーても難しいし何か嫌になっちゃうんだよねぇ〜」

 「土神さんは....裏では...何をして...いるんです....か..」

 「んっ、あぁちょっと待ってて。どっこらせ」

 「・・・・・?」

 急に立ち上がり倉庫の中から何かを取り出そうとする土神、その様子をシセラは疑問に思いながら見ていると...。

 「おっ!、あった♪あった♪」


 そう言って土神が手に持っているのは青色をした液体の入った注射器だった、するとシセラの胃がキリキリと痛みだしシセラの脳に危険信号を送っていた

 「そ...、ソレ...何で.....すか...?」

 「んっ、コレかい?。コレは『トリガー』って呼ばれるいるモノだよ、いわゆるスキル専用のドーピング剤だね」


 この土神の一言により更に胃の痛みが増して注射器の中の液体が危険だと告げていた

 「この液体はスキル持つ者、つまり俺や君といった“アビリティア”だけに過剰なまでの増強反応を起こして強くする、だから裏の世界にある闘技場では『トリガー』を摂取させた状態で戦わせたり、自分のスキル強化のための“お薬”として使われたりしてる」

 ここで一旦話を止める土神、そしてシセラを一瞬だけ見ると再び話を始めたのだった


 「まあ、だがこの薬にも欠点が一つだけあってね。それはつまり『効能時間の短さ』なんだ、普通ならドーピング一回で一週間ぐらいは楽に持つはずだけどトリガーの場合は効き目がせいぜい10分程度なのが悲しいところだね」

 「ど、どうして....そんなの..を...、売ってるの....?..」

 「どうしてかって? そりゃあ決まってるよ、売れるからさ。力や娯楽を求める輩は腐るほどにいるからね、そして俺もこの薬で一時の力を得ることができるんだ」


 すると前置きも何もなしに腕に注射器を突き刺した土神、すると笑い声を挙げだし段々と姿が豹変していく

 「あっ そうだぁ、トリガー摂取してると思考能力が低下するから気をつけてね、シ・セ・ラ・ちゃん♪」


 シセラは背筋に激しい悪寒が走った、そして大きな影がシセラの体を覆うように現れたのであった・・・・。

Re: スキルワールド ( No.42 )
日時: 2018/06/21 23:17
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)




「ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ・・・・。」


 規則性のある呼吸が聞こえてくると一人の少女が通りすぎた、続いて大きな影が後ろから追いかけてくる


 「ハァ ハァ ハァ ハァ ・・・・・ウッ!、ゲホ!ゲホ!ゴポッ!!」

 疾走してる最中に口から血を吐いてしまった、しかし少女は止まる事なく走り続けていた



 「ブゥオォオオオオオーーーーッ!!!」

 耳が痺れる程の雄叫びが聞こえてきて思わず耳を押さえる、そして後ろから何かが飛んできた


 ガッシャーンッ!!


 飛んできたのは小型の船だった、そう今いる場所は人のいない夜の港だったのだ。そして少女ことシセラはギリギリで飛んできた船を避けると近くの建物の中へと逃げ込んだ

 「ハア ハァ ハア ハァ ハア ハァ こっちに来ないで...。」

 震えた声で祈るシセラの体は震えていた、だが願いは届かなかったようだ

 「ブゥゥオォオオオオーーーーッ!!! ((ガシャンッ!!」

 「キャッ!、こ...怖いよ.....お姉ちゃん」



 すると急に音が止まった、疑問に思い辺りを見回してみると自分の隠れて所だけ暗いのが分かった。震えながら上を見てみると・・・・・。


 「ブゥオォオオオオーーーーッ!!!」


 ドッシャーーーンッ!!


 巨大な塊のような拳がシセラへと迫りきて周りに破壊音と砂煙を舞い上がらせた・・・・・。


 [〜 場所は変わって 〜]


 「ガバッ!)) シセラッ!!・・・・、ハァ ハァ ハァ 」

 「ん〜、どうしたんだジャッキー? 今って夜中の3時だぜ」

 「聞いて京八!、シセラが! シセラが危ないのッ!!」

 慌てたように起きたばかりの京八の肩を揺するジャッキー、かなり取り乱している様子だ

 「落ち着け!?、一旦落ち着こうぜ!!?」

 「何言ってんのッ!?、シセラが危け....きけ....ん・・・・・。((バタッ」

 「え、お〜いジャッキー?、大丈夫か〜」

 「心配するな京八、ただ眠らせただけだ」

 「そ、そうですか美香さん、ところでジャッキーが言ってたシセラの危険って何ですかね?」

 「まっ、そこん所は分からないけど。シセラが不在の影響でホームシックならぬ“シスターシック”に陥っちゃてるわね〜」

 「し、シスターシックですか?」

 「まっ、今日のところは寝ちゃいましょう」

 「そっ、そっすね」

 そう言ってまた眠り直すことにした美香と京八。それとシセラは生きているのか、はたまた......いえ、やめておきましょう・・・・・。