ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.50 )
日時: 2018/07/11 23:48
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 「チッ! クソがッ!」

 「アンタが弱いからでしょ」

 そう言ったジャッキーの目の前には悪態をついているボロボロの湯水がいた

 「お前、アイツとは桁が違うじゃねぇかよ」

 「あら、友間のことかしら? 残念だけど友間を倒したらしいけど、私と友間とじゃ経験も実力も違うのよ」

 「ああそうかよ、なら俺も奥の手だ!」

 そう言ったかと思うと湯水の手に紫色をした煙が吹き出してジャッキーを包み込み、湯水の方は思わず笑みをこぼした

 「ふ〜ん、催眠ガスみたいなモノかしら?」

 「はっ?」

 ジャッキーの声が聞こえたかと思うと煙の中からジャッキー本人が現れた

 「悪いけど、怒ってる時の私にこんなモノは目眩ましにすらならないわよ」

 「チッ!、なら次の手を ((ドゴッ!」

 ジャッキーの怒りの鉄拳が炸裂して湯水を吹き飛ばす、そしてこう言った

 「うっさいわね!、私はシセラを捜すのに必死なのよ!」

 「お、おい待て、待てよ!」

 湯水がそう言ったのを構わず無視して立ち去ろうとするジャッキー、それに激怒した湯水はポケットから“あるモノ”を取り出した

 「フザケンナッ!! ((ブスッ!」

 「んっ?、!!....まさかアンタ!、“ソレ”って!」

 湯水の腕には緑色の液体が入った注射器が刺されており、その様子にジャッキーは驚いていた

 「そうだよ、違法薬品“トリガー”だよ」

 「バカ!、ソレがどんなに危険なのか分かってんの!?」

 ジャッキーが慌てて言ったのも束の間、湯水の体がヒクヒクと痙攣したかと思うと突然として止まった

 「ヘハッ! ヘハハハハッ!!」

 「もう!、何でシセラを助けるのにコイツの相手しなきゃならないの?」

 そう言うジャッキーの目の前には目の血走っている湯水がいたのであった


 [〜 場所は変わって 〜]


 「お〜い、シセラ〜! 居るの〜?」

 今、友間と蘇芳は新たな倉庫へと移動しシセラを捜索していた、すると・・・・・・。

 「シセラ!!、良かった生きてて!」

 気絶してはいるが友間の目線の先にはシセラが椅子に座らされていた、客観的に見れば怪しく思えるだろうが友間は蘇芳の制止も聞かずにシセラへと走り寄った

 「シセラ! シセラ!、大丈夫!?意識はある!?」

 「うぅ〜、友..間さん....?」

 「よし、じゃあこんな場所から早く出よ・・・。」

 「おやおや、こんな場所とは聞き捨てならないよぉ〜」

 「土神っ! 何処だ!?」

 友間が周りを見回したと同時に倉庫の扉が音を立てて閉じてしまい、倉庫にある上の階から誰かが降りてきた

 「折角のゲームなんだし、ヒロインをラスボスから自力で奪い返すってのはどうだい?」

 「そ、それはちょっと遠慮したいのですがぁ〜」

 「う〜む、それは残念だ。まあ君らを生きて帰らす気は微塵すらも無いけどね」

 「そうだと思ってました」

 「ちょっと友間!、悠長に話してる前にシセラを連れて逃げなくちゃ!」

 「それを、させると思うかい?」

 土神のその声が聞こえたかと思うと常識外れな脚力で友間へと飛び出してきて重い蹴りを放つと友間を蹴り飛ばした

 「ドガッ!)) うっ! 性質<炎>ッ!!」

 「やっと殺る気になってくれたかい?」

 「ああ、今のでお前を殴り飛ばす覚悟が整ったよ」

 「ふふ、良い目だね、それでこそゲームの楽しみがあるってものだよね」

 「友間!、まずはシセラの確保からしてっ! シセラにまで被害が及んだらジャッキーが黙ってないよ!」

 「確かに、それじゃあ準備は良いかな蘇芳?」

 「『赤き精彩ブラッティーレイン』ッ!!、こっちも準備万端よ」

 スキルを発動した蘇芳は親指の爪で手首を切ると、そこから大量の血が吹き出して固まると血で作られた剣に変化した

 「それって面白いスキルだな蘇芳」

 「どうも友間、じゃあ土神のことは任せるわよ」

 「OK蘇芳、それとラスボス戦の開幕だ」