ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.52 )
日時: 2018/07/16 20:38
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 目の前にいる人物は化け物だった、そして今この瞬間にまた友間は死んだ


 ーーボギッ!!


 「また首の骨が折れられたな」

 「まったく、そろそろ殺されようとは思わないのかい?」

 「いえ、逆に心が燃えてきました」

 「ハハハハ、体も燃えてるのに心まで燃えてるとはね」

 とは言ったものの金剛力士像の如く肉体になった土神に、友間のパンチなど効くはずもなく炎の熱すら厚い筋肉のせいで無意味に等しかった

 「どうした?、ボス戦なんだからボスと戦うに相応しい戦い方をしてくれよ?」

 「・・・・・・いちょう、最後の手段なら残ってますよ....。」

 「また自爆かい?、だけど一度君が試したけど生きてたけどね」

 「それよりも良い方法です」

 「じゃあ試してみなよ、逃げも隠れもせずに正面から受け止めてあげるよ」

 「(しめた! この瞬間を待ってたんだよ、確実に土神に当てられる瞬間をな)」

 友間はスーツが筋肉ではち切れそうな土神から目を離すと右腕に意識を集中させた


 「(右腕が壊れない程度に力を注いでるイメージを・・・・・・。)」


 すると友間の体から炎が消え、逆に右腕には血のように赤く燃える炎が吹き出した

 「ほお、これは凄いじゃないか友間くん」

 「そういうのは一発喰らってからお願いします」

 そう言うと友間は走り出したが土神は相変わらず立ったまま動かない、そしてこれが最初で最後のチャンスかもしれない


 「喰ゥラえェェェーーーッ!!」


 ーードガンッ!!


 右腕の拳が当たった瞬間は何事もなかったが、続いて拳から土神に向けて爆発のような炎が吹き出して土神の肉体を焼き貫いたのであった

 「ァアッ!!、ぎゃああぁあぁぁっ!!」

 苦痛の叫びを挙げて地面に倒れながらも腹に空いた大穴を抑えようとする土神、それとは対照的に静かな友間は気絶寸前だった

 「(や、ヤバイ...体が重いし目の前が見えにくくなってきた、でも自分はまだ死ねない)」

 土神の最後までを見届けようと友間は気合いと根性で土神の方を向いた、だが次の瞬間には顔が青ざめた


 ーードガンッ!!


 「ガシャン!)) うっ! 脇腹の骨が」


 左の脇腹辺りを抑える友間、スキルを使用すれば一瞬で修復するがそんな力は残っていない

 「これは流石の自分でも危なかったよ、まさか体を焼き貫かれるとはね」

 その声の主は何を隠そう土神本人であった、そして土神自身は悠然と立っており腹に空いた穴は肉の塊が塞いでいた

 「お前...何者だよ、それか不死身かもな...。」

 「いやいや、不死身ではないけど近いかもしれないね」

 「やっぱ...化け物だな、お前」

 「そうだ、君とのお別れの前に何のスキルなのか教えておいてあげようかな・・・・・・。」