ダーク・ファンタジー小説
- Re: スキルワールド ( No.56 )
- 日時: 2019/08/06 10:48
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
・・・・・・ここは、場所が変わって土神と他3人のいる場所。時間帯は不明だが朝になるまで時間はかからないかもしれない
「凄いじゃないか、まるで花火みたいだね」
そう言った土神の視界には体の所々で高火力のガスバーナーみたいに炎が吹き出している燃えた友間がいた
「・・・・・・数秒やる、その間にシセラから手を離せ....。」
表情は顔が炎で覆われていて分からないが、たぶん土神を睨んでいるのだろう
「かなりの自信過剰みたいだけど君の炎なんか無意み・・・・・・。」
「これでもか?」
土神の左肩を巨大な炎が過ぎ去り耳から肩全体を焼き焦がしたのであった、そして何より土神は驚いた
「・・・・・・け、結構ヤバイかもね」
「じゃあ次、行きますよ?」
今度は指から細い炎が飛び出してきて土神の腹を焼き貫いた、しかし土神は傷口を塞ぐとシセラを自身の前に構えた
「く、くるなら来い! シセラちゃんも巻き添いにできるのならね」
「・・・・・・先に断っとくが、それをする覚悟はまだ俺には無いんでね」
「なら大人しく炎を消すんだ!、そうすれば・・・・・。」
だが次の瞬間に友間の右腕に炎が灯り土神へと巨大な炎が吹き出した
「な! ちょっ、巻き添いに・・・・。」
「だけど俺にはシセラを助けられる自信があります」
すると炎が真っ正面から衝突する直前で急激に横にカーブして土神の背後へと消えていった
「へっ.....??」
「油断大敵ですよ、背後とかは特にですよ」
それを聞いた瞬間に土神は後ろへと振り返ったが次に土神の目に入り込んだのは背後から迫り来ていた炎だった
「これはヤバィ..((ドッバァアアン!」
土神の背で爆発に似た衝撃が起こった、衝撃は体の表面を固めて耐えられたが想像を越えた炎の熱が土神の背を焼いた
「ぐっ! こ、これは熱いね」
「敵のこと忘れてて良いんですか?」
「バッ)) !!...しまっ・・・・。」
いつの間にか友間が目の前まで迫っており加えてシセラも何処かに消えしまっていた、そして土神の顔に友間の鉄拳がメリ込んで土神を後ろへと殴り飛ばした
「ぅう〜!、急に人の鼻を殴るなんて非常識だね」
「悪の組織のボスやってる方が非常識ですよ」
友間は淡々とした足取りで土神に近づいてくる、これでもう流れが友間にあるが嫌でも自覚する事になった
「まだ勝負はここからだ!((ブンッ!」
「スカッ)) そうですか....。 ((バキッ!」
「ギリッ)) ぐぐぅ〜....ま、まだ奥の手は残ってるんだよね、これさ!」
土神は説明も前置きもなしに自身の腕に何かを刺した、そして体がみるみると肥大化すると手足の付いた4階立ての雑貨ビルぐらいはある肉の塊と化したのであった
「もう人間ではないな」
「ブゥーォオオォォオオオッ!!」
「あっ!、こっち来た」
巨大な肉団子のような拳が上から迫ってくる、すると友間は地面に手を付いて屈むと手足から思いっきり炎を噴射しロケットのように空に飛び出した
「意外と飛べるもんなんですね」
空中を飛行している友間、それを掴もうとしてるのか暴走中の土神は腕を大きく振っている
「おっと! おおっと危ない!、それとコレどうぞ」
友間はすり抜けるように土神の猛攻を回避して土神の頭らしき部分に降り立つと右腕の炎の火力を上げて眉間の部分に叩き込んだ
「グゥゥーーォォオオォオオッ!!」
「それじゃあ最後のケリを着けますよ」
そう友間は言うと熱で溶けて欠けてしまった眉間の部分を見下ろすと右腕を構えて意識を集中させた
「これで終わ・・・・。」
「そうはさせないよ!!」
「!....えっ?」
最後の一撃を放とうとした瞬間、突如として暴れるだけの化け物と化した土神の中から裸の土神が現れたかと思うと両腕を伸ばして友間の首を絞めつけた
「殺してやるッ!、お前を殺してやるッ!!」
「すみませんが、もう手遅れです」
「ま、待て! 待っ・・・・・・。」
首を絞められた状態から振り落とされた拳、その拳から大規模を焼き尽くす炎が吹き出して友間の近くにあるモノ全てを焼いた
・・・・・・。
あれから少し時間が経った、焼け野原となった港には化け物の焦げた死体とまだ炎に包まれている友間の姿があった
「・・・・・。やっぱり生きてたりして?」
ーーガサッ
「!!....えっ、まさか!?」
物音がした方へ顔を向けた友間、だがそこに立っていたのは土神ではなく見知らぬ長身の男がいたのであった
「まさか、ストラングのたった一人の少年程度に負けるとはな」
「アンタ、誰ですか?」
悠然と立っている男からは自分に対しての余裕だけが感じる、そんな男の身長は2m以上そして銀色のジャージに黒のジーンズ姿だ
「俺か....俺は“世界を塗り変える者”ドルス・シンだ。それと土神、いつまで寝ているつもりだ」
「す...、すみませんドルス様....私の力不足でした.....。」
焦げた化け物の死体から体の半分を焼失した土神が現れた、その土神の様子にドルスはフッと笑みを浮かべて土神へと近づき屈んだ
「俺はお前の力量を見余ってしまったようだ、すまないな」
そう言うと屈んだ状態で土神に頭を下げたドルス、その行動に土神は驚いたのか土神は口をただ動かしただけだった
「それと、そんなお前に俺からの褒美だ、受け取れ ((スッ...」
「えっ、あのドルス...様?」
土神は自分の目と鼻の先に突き出されたドルスの手のひらを見て困惑した、そして次の瞬間ドルスの手のひらから影のような黒いオーラが突如として飛び出して土神の頭を槍のように貫いた
「どう....して、ですか」
「悪いのは俺だ、だが俺のこれから始まる計画には使えない奴はいらねぇんだよ」
さっきまでの笑みから一変して悪人の笑みへと変わったドルス、そしてドルスの体から次々と黒いオーラが現れては槍のように土神を突き刺していった
「あ、あぁ、やめ...ろよ」
友間は目の前で起きている事に衝撃を受けて力のない声しか出せず動くこともできなかった
「すみませン! 許し(グサッ ) 許して下さい(グチュ、グサッ」
「俺はお前を許してるつもりだし最初から怒ってもねぇんだよ、ただ必要ねぇだけさ」
「グサッ)) ァアッ! ヤメて下さ((グシュ」
「おいッ!、やめろッ!!」
「グサッ)) ん〜、やっぱ中々死なねぇなぁ」
「いいから・・・・・、ヤメロッーーーーッ!!」
そう叫びながら飛び出した友間、右腕に意識を集中させドルスの方へと向かう
「んっ?、何だ?」
やっと友間の声に気づいたのか振り返るドルス、だが振り返ったと同時にドルスに向けて怒りの鉄拳が友間から放たれた