ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.57 )
日時: 2018/07/26 13:21
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 友間の拳から爆発したかの様に炎が吹き出しドルスを炎と煙で包み隠した。煙で前が見えないが何かに触れている感覚はある、するとじわじわと右腕から痛みが伝わってきた

 「!!...痛ッ!、何だ!?」

 「『急に人を叩いちゃいけない』って親から習わなかったのか?」

 煙が晴れて目の前の視界が開ける、そして友間が殴ったのはドルスではなくドルスを覆っている黒い壁だと分かり加えて友間の右腕には何本もの黒い針が刺さっていた

 「いいか、この世にはルールや流れってのがある。『弱者が強者に歯向かうな』ってな、分かった?」

 そうドルスの声が聞こえたかと思うと目の前にあった壁が突如として消えてドルスの拳が友間の腹に打ち込まれた

 「ガッシャン!!)) ゲッホ!ゲホ!ゲホ!ゲホ!」

 「痛いか?、その痛みが俺とお前との差なんだよ。分かったら大人しくしてな」

 そう言って土神の元へと戻るドルス、そしてまた友間の耳に土神の悲鳴が聞こえてきた

 「・・・・・・くっそたれ!」

 そう愚痴を吐いてよろよろと立ち上がる友間、そして今度は両腕に意識を集中させた

 「グサッ! グシュ!)) まだ死なないのかよ、・・・・・んっ? 懲りない奴だな」

 「すみませんね、俺って変なところで頑固なんですよ」

 そう言って一瞬だけ笑うと友間はドルスへと飛び出していった

 「学習してないようだな、スキル『闇を呑む闇』」

 スキルの宣言をしたドルスの周りから黒いオーラが沸きだし次々に一本また一本と槍に変化しては友間に向けて放たれた

 「ドスッ! ドスッ!)) うっ!...すみませんね、俺って諦めが悪い時があるんですよ」

 体が槍の雨によって次々と貫かれていくも友間はスキルの効果と根性でドルスに向かって走っていた

 「この程度では死なないようだな、なら別のやり方でいこうじゃないか」

 そう言うとドルスは自身の右腕にスキルを纏わせて自分に向かってくる友間へと進んで歩いた

 「吹き飛ベェェエエーーーッ!!」

 「動きが荒く攻撃が単調だな」

 そうドルスは落ち着いて言うと、友間から放たれた一撃目を自身の右腕で弾くと左腕にもスキルを纏わせて友間から放たれた最後の一撃を防いだ

 「悪いが俺は距離を取るより近距離の方が得意なんだよ」

 「それは俺も一緒ですッ!!」

 友間はそう叫ぶと自身の足裏を爆発させてドルスの少し上まで上昇すると両手をハンマーのようにして両方の手に意識を集中させた

 「これで終わりだァァーーッ!!」

 突然の出来事にドルスは反応が遅れ、ただ上を見上げて目を見開いた。だがその直後に友間の体の炎が段々と弱まり最後には消えてしまった

 「えっ!何でッ!?、うわっ! ((ガシッ」

 今度は友間の方が動くのが遅れてしまい我に戻ったドルスに肩を掴まれそのままの勢いでドルスの拳が生身の友間の腹を貫いて後ろに血が飛び散った

 「がふッ!!、どう...して.....。」

 「ただ俺の方に運が傾いただけさ」

 そう言って友間の腹から自分の腕を引き抜くドルス、そうして友間の体を地面に放り捨てた時だった、ドルスの背後で瓦礫が吹き飛んだ

 「んっ?、何だお前は?」

 ドルスが視線を変えるとそこには京八でもジャッキーでも他の皆でもない一人の少女がいたのであった

 「私はシロ、そしてお前を殺す!」

 「ほう、今日は殺す奴が多い日だな」

 双方から殺意の押し合いが始まり今にも惨劇が起こりそうな雰囲気だった