ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.59 )
日時: 2018/07/28 17:39
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 場所は変わってシロとドルスによる戦場地帯、空は少し明るくなっており朝までそんなに時間はかからないだろう

 「中々やるな、並の上程度にはな」

 ドルスはそう言うと、体のあちらこちらから黒い触手を出してシロに攻撃する

 「話はいい、お前を地獄の奥底まで生き埋めにする」

 シロはそう言ってドルスから伸びた触手に掌底打ちを喰らわしていくと次々と弾け飛んでいった

 「お前のスキルに少しだけ興味がわいた、一体なんなのか想像もつかないものだ」

 「そういうお前は攻撃のスピードが落ちているぞ」

 そう言って全ての触手を消し飛ばすとシロはドルスへ向かって走った

 「俺のスキルは長期戦には向いていないんだよ、まあ向いていないのであればサッサッと決りを着ければ良い話だがな」

 するとドルスから黒いオーラが消えてしまう、そして今度はドルスの体から更に濃くなったドス黒いオーラが吹き出した

 「さあ....、かかってこい」

 「何のマネだ?」

 シロは途中で足を止めてドルスを見つめた、そのドルスは両手を横にひろげると不敵に笑みをしてシロを見ていた

 「何って“ハンデ”だよ“ハンデ”、こうやってんのは今のうちだぜ?」

 「あとで後悔するなよ ((スッ....」

 シロは姿勢を屈めると弾かれたかの様にドルスへと飛び出していき殴る蹴るの暴襲を繰り出した


 ーードンッ! ドガンッ! ドバァン!


 「・・・・・・・・・・。」



 ドルスの体には次々とシロの攻撃が叩き込まれていった。だが何を合図にだったのかは不明だが、次の瞬間シロの溝落ちにドルスの一撃が入った


 ーーメキ.....!!....。


 だがシロが吹き飛んだ瞬間、ドルスも何かに弾き飛ばされたように後ろへ吹き飛んだ

 「私に殴られながら攻撃をしてくるとは少しだけ驚いた」

 「こちらもこちらで、お前を殴ったはずなのに俺自身に殴られた感覚がして驚いてるよ」

 どちらもそう言って煙の舞うなか立ち上がった、双方ともダメージというダメージは負っていないようだ

 「そろそろ本気で行こうじゃないかシロとやら、お前の力はまだそんな程度ではないだろ?」

 「ああ確かにそうだ.....、だがお前程度の者に本気を出すと思うか?」

 そう言ってドルスを見つめるシロ、その瞬間にドルスには恐怖とも呼べる緊張が体に走った

 「珍しい事もあるもんだな。ミイラ盗りがミイラになるとは聞くが、まさか殺すはずが殺されるかもしれない状況になるとはな」

 するとドルスの視線が突然シロから外れて自身の背後に移った、そして背後から向かってくるジャッキーを見た

 「アンタって敵よね?」

 そうジャッキーは言うとドルスの返答を聞く気もなしに攻撃を仕掛けた、しかしジャッキーの攻撃を軽々と避けるとドルスはジャッキーの首をワシ掴みにして地面へと勢いよく叩きつけた

 「また虫がわいてきたな・・・・・・。」

 そう言うと今度は横から現れた京八を蹴り飛ばすと次に血の剣で斬りつけきた蘇芳の剣を手で弾いて追加で殴り飛ばした

 「全くもって不愉快だ、そして邪魔だ」

 「いちちち、おい大丈夫かジャッキー?」

 「ええ大丈夫よ、でも頭がちょっとクラクラするわ」

 頭を抱えているジャッキーからは血が滲み出ていた、それを見た京八は少し心配になった

 「ゴミ虫が寄り集まった程度では俺を倒せはしない・・・・・。」

 ここでドルスは話を止めると周辺の温度が下がっていくのが分かり、次に今いる場所から飛び退いた


 ーーパキ!パキ!パキ!


 「チッ!、外しちまったぜ」

 そう言って現れたのは零、そしてドルスが先程まで立っていた場所には巨大な氷の塔が建っていた

 「この人数を消すのは面倒だな」

 「その前に私のことを忘れているぞ」

 ドルスは背後から殺気と痛みを感じて後ろを振り返ると、自分の横腹にシロの指が突き刺さり血が地面に垂れ落ちる

 「グっ!、これは不味いぞ」

 そう言って傷口からシロの手をふりほどくと周りから距離を取って膝を着いた

 「ハァ ハァ ハァ ハァ 我ながら滑稽だな、俺と“アイツ”との計画はこれからが始まりだと言うのによ」


 そう言ってから苦笑するドルス、そんなドルスの耳元に聞きなれた男の声が聞こえてきた


 「なら私が加勢してやろう」

 「ハァ ハァ ハァ ハァ じゃあ頼むぞ」

 「ああ、承知した」

 そう声がしたかと思うとドルスとその場にいた全員の目の前から荒れ果てた港の風景が消えて、次には全てが真っ白で平らな空間だけが広がる世界が現れた

 「珍しい事もあるものだな、まさかお前ともあろう者が膝を着くとはな」

 その声の主は奇妙な格好だった。180cmぐらいの身長をしており七三分けにした水色の髪は胸辺りまであり特注らしい白いコートを羽織っていた、そして極めつけに男の顔は水色のガラスで作られた仮面で隠れていた

 「油断した....というのは冗談だ、あの女に気をつけろ」

 そうドルスが言うと謎の男はシロの指先に付いた血とドルスの怪我を見て全てを理解したようだ

 「そういう事か.....。それと私はノア=デスオメガという者だ、そして”世界の新たな神になる者”だと脳裏に刻んでおけ」

 新たに現れたノアという男、そしてドルスの言っていた計画とは何なのでしょうか?