ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.61 )
日時: 2018/08/05 18:41
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 友間は今、白髪の少女ことシロと一緒に自身の精神空間を移動していた


 「一つ聞いていいかなシロ?」

 「はい、何でしょうか友間様?」

 「えーっと、その前に“様”付けはやめてくれないかな?」

 「分かりました友間さん」

 「・・・・・まあいいや、ところで俺の唇がさっきから変な感じするんだけど何か知らない?」

 そう言ってから自分の唇を動かす友間、その様子を見てシロは紅潮しながら言った

 「え....あ..の..、私と..今...キスを・・・・・。」

 「えっ、何って言ったの?」

 「かぁ〜))....わ、私とキスしてるって言ったんですッ!!」

 「・・・・・状況は何となく理解できたんだけど、色々と複雑だね」

 「ある程度の接触をしなきゃ友間さんの体に干渉できなかったので....。」

 顔をなるべく友間から反らして喋っているシロ、綺麗な白髪に反して少しだけ見えるシロの耳は赤かった

 「ま、まあ俺を助けるためにしてくれてるなら嬉しいよ」

 「かぁ〜)) そ、そうですか・・・・・。」

 そんな感じでシロと友間が話していると、遠くの方から差し込んでくる光が見えた

 「やっと着きましたか。それでは行きますよ?」

 そう言って友間の手を強く握りしめるシロ、そして二人は勢いよく光へと飛び込んでいった



 ◆・・・・・・◆・・・・・・◆・・・・・・。



 「・・・・・・んっ?、眩しい....。」

 「起きたようですね、友間さん」

 横になっている友間の目の前には目線が少し泳いでいるシロがおり、顔がまだ赤かった

 「ご、ごめんねシロ。無理させちゃったみたいで・・・・・・・。」

 そう言って体を起こした友間の目には真っ白な空間、そして真っ白な地面に倒れる皆の姿だった

 「はっ?・・・・・・、皆...?」

 倒れている皆の横には巨大な槍が刺さっていた、そしてその持ち主はすぐに分かった

 「アイツが・・・・・・ッ!」

 遠くの方に見えるのは巨大な死神らしき怪物、そしてその付近にたたずんでいるドルスともう一人の姿が確認できた

 「ギリッ)) 殺すッ!、性質<炎>ッ!!」

 目の前に見えるモノへの怒りで立ち上がりスキルを発動する友間、そして体に無理をして“性質ノ解放”を発動しようとした時だった

 「ここは私が殺ります、友間さん」

 「いや、俺が殺る!」

 「私的には起きたばかりの体で戦うのはオススメしません」

 その言葉で気づいたのか友間は自身の体を見下ろした、すると体が恐怖でなのか疲労からなのか震えていた

 「では、待っていて下さい友間さん」

 「えっ!ちょっ! まだ俺は大丈夫だよっ!?」

 そう言ってシロを止めようとした友間、だがシロは一旦立ち止まると振り返ってこう言った

 「大丈夫です友間さん、それに私もちょっと怒っているので」

 その目には自身の意見に対して否定をさせない程の怒りを宿していた、これを見てしまっては友間の選択は一つだけになる

 「分かった、無理しないでねシロ」

 「はい、では少し失礼します。」

 そう言って飛び出していったシロは空中を高く舞って目標の人物に向かって標的を定めた

 「んっ? ドルス、あの子ってこちらに向かってきてないか?」

 「それはお前が狙われてるからだろ」

 そうドルスは言って遠くから飛んで向かってくるシロに対して嫌悪混じりにスキルを発動させた

 「チッ!、今日はホントに厄日だな」

 そう言ってドルスは屈むとシロの飛んでくる方へと超人的なスタートダッシュを決めて跳躍した