ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.67 )
日時: 2018/09/15 23:59
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 友間は一人ストラング内の通路を歩いていた、だがどこか緊張しており慎重に一歩一歩を踏みしめていた。


 (しまった、敵の見た目って分かんないんだけど大丈夫かな?)


 「よっ!、黒奈っ!」


 「うおっ!!、京八っ!?」


 「何だよ?、俺になんか付いてんのか?」


 「い、いや〜 そういう事じゃないんだけど・・・・・。」


 友間が受け答えに困っていると京八の後ろから片腕にギブスが巻かれたジャッキーが現れて友間に話しかけてきた。


 「久しぶりね友間!、ところでシロとは上手くいってるの?」


 「はぁー、ジャッキーも信じちゃってるの?」


 「何よ?、だって一緒に住んでるじゃないの?」


 「ソレさ、お姉ちゃんにも言われた」


 「まっ、そういう事で諦めなさいよ友間。それにシロのどこに不満があるのよ?、可愛いし良い子じゃない?」


 「ただ俺は.....シロに見合うような人間じゃないと思ったんだ....。俺はシロより強くもないし何の覚悟もないから.....」


 友間がそう言って下を向いていると突然 京八に軽く頭を叩かれ思わず視線を京八へ向ける。


 「たくよー・・・・。あのな黒奈?、男と女に見合うか見合わないかなんて理由はねぇんだよ。 まー強いて言うなら自分の女を幸せにできるかどうかだな」


 「・・・・・・ありがと京八、俺がバカだったよ」


 「おうよ!、何があっても何度だって親友のお前を助けてやるぜ」


 「ちょっと二人共!、大事なお話の途中で悪いけど厄介な迷子がいるみたい」


 横から二人の話に入ってきたジャッキーの指差している方向を見てみた二人は自身の骨で雑音を奏でている死神らしき集団が目に入ってきた。


 「まいったな、背骨の亀裂がまだ完治してねぇのにタイミング悪いな」


 「同感ね京八、私もまだ片腕が使えないのよね」


 「じゃあ俺がこの場を引き受けるから二人はサポートに回ってちょうだい」


 「了解だぜ黒奈!」


 「OK、友間!」


 二人が後ろへ下がったのを確認すると友間は久しぶりにスキルを発動して目の前にいる集団へと体を向けて身構えた。


 「性質<炎>ッ!!、さあ来いっ!!」


 「黒奈!、いちょう気をつけろよ」


 「うん、分かった」


 友間はそう言うと前へと飛び出していき死神の集団に突っ込むと敵の攻撃に怯むことなく周りを掻き回した。


 「うわ〜、黒奈って初めて此処へ来た時より断然強くなってんな」


 「そりゃあ京八、友間は土神との一戦で死を覚悟で戦ってたのよ.....そんな奴が、弱いわけがないじゃない」


 「俺も抜かれねぇように張り切らねぇとな、それとジャッキーも気をつけてろよ?」


 「ハアッ? 何で私なのよ!?、私はまだまだアンタと違って大丈夫よ!!」


 「分かんねぇぞ〜、何が起こるのか分かんねぇのが人生だかんな」


 「ふんっ!、何か私も久しぶりに動きたくなったから友間に加勢してくるわね」


 「おいおいジャッキー、腕の方は大丈夫なのかよ? まだ完治してねぇだろ?」


 「私を舐めてもらっちゃ困るわよ」



  “復讐劇・血”ッ!!



 ジャッキーから禍々しいオーラが吹き出してきて次にはズカズカとした足どりで戦っている友間へと近寄っていくジャッキー、その様子に少し心配な目で見守っている京八であった。


 「うっ!、コイツちょっと手強いな?」


 「友間.....ちょっと下がっててくれる」


 「え...?、あ..はい?」


 友間が後ろへ下がった瞬間、恐ろしいというか驚愕というのか次から次へとジャッキーは敵を掴んでは地面に叩きつけてバラバラに破壊していき、それを見守る友間と京八は絶対に敵には回してはいけないと心に刻んだのであった。


 「あ、あの京八・・・・・、ジャッキーを止めた方がよくない.....。」


 「そ、そうだな黒奈。おーい! ジャッキー、そろそろで落ち着いた方が・・・・・・」


 京八が制止を呼びかけるもジャッキーが最後の敵を骨の一本一本に分解し終えたあとだった。


 「ふー・・・・・、いっちょあがりね♪」


 「ジャッキー、俺京八だけど分かるか?」


 「何よ?、私がなんかしたっていうの?」


 「いや、ただ言ってみただけだ」


 「そっ、なら良いけ・・・・・」


 ジャッキーの言葉が終わってないタイミングで地面にバラバラになって転がっている骨が小刻みに震えはじめて何もない空中で集合していった。


 「あー、やっぱもう片腕があった方が良かったわね・・・・・。」


 次の瞬間、ジャッキーは吹き飛ばされ先程までジャッキーのいた場所の近くには一回りも二回りも大きくなった死神ような敵の姿があった。


 「ジャッキーッ!? たくっ!、いくぜ黒奈っ!!」


 「えっ!、俺も?」


 「喰らえや化け物ッ!!」


 京八の拳は敵の顎を粉砕するような勢いで直撃して追撃として友間の炎の拳が炸裂したが全く効いてきる様子は敵にはなかった。


 「おい黒奈、まだ余裕か?」


 「まだ大丈夫だよ京八、でもジャッキーの方は無事な・・・・・」


 そうかけて友間の真横を誰かが突っ切っていった。最初はジャッキーかと思ったが残念ながら別の少女だったようで勇ましく敵に跳躍すると大きな敵の頭部に軽々と着地し、蛇の威嚇音のような音が辺りに響き渡ると共に少女は敵へと噛みついた。


 すると敵の体から段々と小さきながらも小刻みな音が聞こえてきて最終的には大きな巨体が呆気なく崩れ去ってしまった。そして元戦場だった所から先程の少女が現れて京八と友間の顔を交互に見合わせ少しだけ息を吐くと一言二人に呟いた。


 「ワタシは羽方ミレア。二人とも仲良くして下さいね?」


 「「え、あ、はい...。」」


 少し呆気にとられてしまった二人だが、ミレアに差し出された両手の握手を片っぽずつしっかりと握るとミレアの握手に二人はこう答えた。


 「よろしくねミレア、俺は友間って言うんだ」


 「でっ、俺は京八だ。よろしくな」


 しっかり握られている握手なのだが、友間と京八の二人はもう一人のことを忘れている気がするが気のせいなのかな?