ダーク・ファンタジー小説
- Re: スキルワールド ( No.7 )
- 日時: 2019/09/08 18:46
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
「俺を見ずに何処見て歩いてやがった!」
「ど、どうもぉ〜」
友間はあまりの少年の怒りように引き気味に言葉を投げかけてみた、しかし少年の怒りはヒートアップしたようで、憤慨した顔で少年は友間の胸ぐらを掴んで体を引き寄せる。
「オイオイ舐めてんのか?」
「いえ、あなたを舐めても不味そうですので」
この一言で少年の怒りはピークに達し、友間を通路の床に投げ飛ばそうと両腕を高く掲げる。
「おいおい、もっと静かに出来ないのかよ?」
そんな声が憤慨する少年の背後から聞こえたかと思うと肩に誰かの手が置かれる、咄嗟に振り替えると見知らぬ少年が呆れ気味に立っていた。
「よお、俺は氷飴 零(ひあめ れい)だ、よろしく」
「邪魔すんな! 俺はコイツをブッ殺すんだよ!」
「いやいやストラングの基地内じゃ、殺しは“厳禁”だぜ?」
その声と共に肩に置かれた零の手からは周囲に向けて冷気が通路内に充満する。
「手を退かせ! お前もブッ殺されたいかッ!」
「やれやれ...一旦寝てな、フッ!」
そう言うと同時に友間を掴んでいた少年の顔に息を吹きかけると一息の間もなく少年の顔が霜に覆われ体が床に倒れ込んでいた。
「あれ、ちょっと加減を間違えたかな? まぁ死なない程度に抑えてるから大丈夫だろうけど」
「ありがとう...ございます」
「んっ? 良いって事よ、それじゃあ周りの取り巻きはどうすっかねぇ」
そう言って零が周囲の取り巻きどもに睨みをきかせると床に倒れた少年(親玉)を連れて何処かへと去っていってしまった。
「あいつら、新入りを虐めるのを遊びにしてるから気をつけろよ、じゃあまたな」
「あっはい、それじゃあまた」
こうして友間は新たに友達というものが増えた、まぁその話は置いといて友間は再び自分の部屋を探しに無人となってしまった通路を歩き出した。