ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.70 )
日時: 2018/10/04 17:39
名前: マシュ&マロ (ID: 1l.7ltSh)



 「あっ、友間〜! 京八〜!、久しぶだな〜!!」


 そう言って遠くの方から近づいてきたのは久しぶりに会った零だった。


 「あっ零!、久しぶり〜!!」


 「おう! 友間、それと色々と大変だったな」


 「ま まぁね。あ、ははは.....」


 シロの食物兵器を思いだして苦笑いを見せていると零の後ろに誰かが隠れているのが分かった。


 「灯利と会うのも久しぶりだったね」


 「あ...あ..、こんちには・・・・友間さん....。」


 「ところでよぉ零、俺と黒奈も運動しに来たんだがお前らもか?」


 「お前らも...というよりは、今日はここの連中の指導を任されてんだよな」


 「おう聞いたか黒奈?、ちょうど良いから頼もうぜ?」


 「」


 「別にいいけど、俺と灯利がやってんのは筋トレとかじゃなくて対人戦闘法とかだぜ」


 「望むところたぜ!、なっ 黒奈?」


 「なんか最初の主旨から反れちゃってるけど、まあいいや」


 「おっし! 決まりだなっ!!」


 「そんじゃ俺と灯利の指導についてこいよ二人とも?」


 「ふ...二人とも、...よろしく...ね....。」



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 「まずは相手に対して絶対に自分の考えてる事を悟られるない事だ。出来るだけ顔はどんな時でも戦ってる場合は変えるなよ」


 「おう! 分かったぜ!」


 「うん、俺も分かった」


 「そんじゃ次だが、戦闘時で大事なのは相手にどれだけダメージを負わせるかより最小限にどれだけ自分がダメージを負わないだ。とにかく動きながら相手の動きに集中しろ、いいな?」


 「「ああ、分かった」」


 「よし、そんじゃ最後になるが敵を恐れてもいいけど絶対に生きる事を諦めるな。精神の衰退ってのは隙ができやすくなるからな」


 「OK 分かったぜ」


 「いちょう分かった...と思う...。」


 「そんなら次にお前らには灯利と戦ってもらう。別に手加減とかは必要ねぇぜ、逆に本気を出さねぇとヤバいしな」


 「・・・・・っ!!、でも灯利って男性恐怖症だよね?」


 「そこんとこは大丈夫だぜ友間、ちゃんと灯利には目隠しをしてもらってるからな」


 「何も見えない・・・・・・、これなら平気」


 「おっし!、じゃあまずは俺から行かせてもらうぜ黒奈」


 「背骨の方は大丈夫なの?」


 「まーかしとけ、俺はそこそこ頑丈だしよ」


 右肩をグルグルと回しながら言うと灯利と対峙する京八、もはや灯利に対して手加減する気は毛頭なさそうだ。


 「スキル『発電』ッ!!、クーー珍しく羽が伸ばせそうだ」


 「行きますよ、京八さん」


 「おう!、いつでも来や・・・・・ブホッ!!」


 初撃から当たるまでの時間はとても短いものだった。飛び散った鼻血が雨でも降るかのようにポツポツと地面に吸い込まれていった。


 「・・・・・・よし、当たった」


 「おー、こりゃ効いたぜ」


 もう初撃から致命傷を喰らってしまっている京八だが、何が彼を動かしているのか震える両足で立ち上がる。


 「今ので勝負はついてます、降参をお願いします」


 「悪いがよ灯利、男が潔くなんかに応じるのは自分の女を怒らした時か死を覚悟した時ぐらいだぜ」


 「・・・・・・では、構えて下さい」


 「おうよ、あっと言わせてやるぜ」


 ーードガァァアンッ!!


 意気込みも虚しく吐血と一緒に飛び散っていき京八の服が地面と擦れて全てが決着した。


 「はい!、そこまでっ!」


 「ちょっと京八、張り切りすぎじゃない?」


 「何言ってんだよ黒奈、男は何事も全力でだろ?」


 「はいはい、俺も負けないよう頑張るよ。だからゆっくり休んでて」


 「友間、戦う準備はできたか? それと俺の教えた3つを忘れるなよ」


 「分かってるよ零、それにじゃなきゃ半殺しは覚悟しなきゃだしね」


 次に灯利と対峙する友間、灯利は相変わらず目隠しをしているが打開のない以上は下手に攻められない。


 (んー、目隠しをしてても戦えるのは経験? それともスキルなのかな?)


 「行きますよ、友間さん」


 「ちょ、ちょっと待って!。性質<鉄>」


 これで少しは時間稼ぎ程度にはなっただろうが不明な点が残ってる今は警戒という言葉につきるだろう。


 「うん、ありがと灯利。これで準備よし」


 「じゃあ、・・・・・行きます。」


 その直後、目の前から灯利の姿を見失う友間だがそれと同時に直感的に横に飛びのいたその瞬間さっきまで自分のいた場所に灯利の踵落としがメリ込んでいた。


 「・・・・・外しましたか、なら....」


 「えっ!、ちょっ!」


 ーーガシッ!!


 反応する間もなく灯利の華奢な腕が友間の首を捕らえると自身へと引き寄せながら強烈な膝蹴りが顔面を直撃する。


 「・・・・痛いですね」


 そう痛みを感じて言った灯利だが、それと同じく友間も顔面に感じる痛みで少し怯んでしまった。


 (うっ!、顔がちょっと変形してるな。だとしたら鉄をへこませる程の蹴りって人間じゃないよね)


 双方どちらも少し後ろに下がった状況、ここからは先手を取った者が勝ちといった感じだろう。


 (ここは少し離れるべきか、それとも攻めるべきか....。)


 どちらかを決断しようとする友間、しかし灯利に動きがない事に気づいたので少し様子を見ることにしてみた。


 (動きがない...、罠? それとも動けない?、だとしたら相手をどうやって認識しるんだ?)


 目の前の事への緊張で少しバランスを崩してしまいバランスを保つため数歩後ろに下がった瞬間、灯利が恐るべき瞬発力で突っ込んできた。


 ーードガァンッ!!


 今の友間は鉄の塊にも関わらず後方へと吹き飛ばしてみせる灯利、これに対して友間は動こうとはせずに息を殺した。


 (やっと分かった、灯利の戦い方が...。)