ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.75 )
日時: 2018/10/24 21:28
名前: マシュ&マロ (ID: 1l.7ltSh)



 友間は今、人が多く見かけられる都市部を歩いていた。その理由は目の前に伊月の後ろ姿を見つけたからだ。


 (京八たちに連絡はしたけど、すぐには二人も来れないよな)


 押し寄せてくる人の波を避けつつ伊月の背後を追っているのだが、どんどん前へと進んで行くので見失わないようにするのが精一杯だ。


 (もうちょっと人が少なかったら良かったのにな〜)


 そう思いつつ再び押し寄せてきた人の波を避けていると、なんと伊月を見失ってしまったのだ。


 「あー、もう少しよく見とけば良かったかな〜。・・・・・・うわっ!!」


 突如、左腕に万力とも呼べる力が加わり、人の波から引きずり出されると誰もいない路地へと連れて行かれてしまった。


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ーーバンっ!!


 「おい! アンタ、さっきから付けてたろ? 俺に何の用だってんだ?」


 首と左腕を掴まれた状態で路地の壁に押し付けらた友間、警戒のこもった眼で見つめる伊月の手に更に力が増していき友間の足元から地面の感覚がなくなっていく。


 「答えろッ!、お前は誰でッ! 何なんだッ!!」


 「い、わない......。せい...質<炎>」


 体から炎が吹き出し、あまりの出来事に身を翻して退いた伊月。だが次には驚きから怒りの表情に変わっていた。


 「お前も俺と同類かッ!、いいぜ! 殺り合おうぜッ!!」


 この時、友間には奇妙な恐怖を感じてしまった。目の前の相手はある意味では土神に等しい恐怖を感じさせる人物だと思った。


 「伊月さんでしたっけ?、あなたは最近何をしているんですか?」


 「・・・・・・さぁな」


 気分を削がれたかのような返信を返すと身構えていた体を元に正した、そしてこんな事を言った。


 「アンタからは姉さんの臭いや色んな人間の臭いがする、まさかストラングってとこの回し者か?」


 「・・・・・・そういう個人的な事は言えないし、言う必要もないから言えないんだよね」


 「そうかよ、じゃあ強引に聞くだけだな」


 伊月の足元が割れる、それと同時に身構えていた友間の体に強烈なラリアットが食い込んで路地の壁へと吹き飛ばれた。


 「ゲッホ! ゲホ! ゲホ! かなり強烈だね、純粋なパワータイプって感じか」


 「おー当たりだ、まぁそれがどうなるって事もねぇけどなッ!!」


 次の瞬間、友間の視界が空中で激しく回転したかのようになり地面へと叩きつけられる。そして首の無くなった体は力無く倒れたのだった。