ダーク・ファンタジー小説
- Re: スキルワールド ( No.84 )
- 日時: 2018/12/02 11:34
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
風が激しく吹き荒れる中、何かが飛んできて公園の電柱に激突し電柱が軽く折れ曲がった。
その正体は友間であった。力を使い果たしたように荒く呼吸をし体から炎が消え失せていった。
「ハァ ハア ハア ハア ハア ハア、これでリミッター付きなんて勝てる気がしないよ」
そう言ってフラフラと立ち上がると先程まで自分とユウがいた場所へと顔を向けた友間、そこはもう焼け野原と化して公園のゆったりとした雰囲気はなかった。
「ユウはどうなったんだろ....?」
周りを見てみた友間だがユウの姿はなかった、すると突如後ろから誰かに押し倒され顔を地面に叩きつけられたのだった。
「おい! お前っ!、よくもユウを傷つけたなッ!!」
「そう、だった.....あんたも...いたな....。」
怒り狂ったようなダンはうつ伏せの状態の友間の首を後ろから締め付けた。すると何かが体力を吸い上げていくような奇妙な感覚を友間は感じた。
「死ね! 死ねっ! 死ねッ!!」
首の血管が塞き止められたせいなのか頭に血が上ったような感じがし目も霞んで目の前が徐々にぼやけてきた。
「性...質..。」
何か望みがあった訳じゃない。ただ無意識....いや、生きたいと貪欲に思ったんだ。
「性...しつ..。」
言葉がもう出て来ない。だが何処か体の奥底から何か這い上がってくる気がした。
「せい...しつ・・・・・。性質<鉄>ッ!!」
最後に絞り出せた言葉、それに反応したかのように身体中を力が駆け巡っていき友間は鉄へと変化した。
「なっ!、まだ生きてやが・・・・・。」
「・・・・・邪魔。」
悠然と立ち上がった友間はダンを軽々と背から引き剥がしてみせると信じられない力で地面へと叩きつけた。
そして心が何かに飲み込まれ支配されたかのように無心な表情でダンに馬乗りになると今度は友間がダンの首を締めた。
「離...せ..、この化け物が...。」
「・・・・・死ね...。」
もう友間は友間ではなかった。誰かを殺す事への恐怖も苦しむ相手への慈悲の心もない冷徹さで染まったような人物になっいた。