ダーク・ファンタジー小説
- Re: スキルワールド ( No.85 )
- 日時: 2018/12/02 23:10
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
「・・・・・・死ね。」
そうダンに言う友間は冷たかった。人を殺す事への躊躇がなくダンの首を締め上げていた。
すると____。
「やめろーッ!! 『輝砕』ッ!!」
ーーズバァァアアァーンッ!!
突然のユウの奇襲に反応が遅れてしまい吹き飛ばされる友間、ダンの方も驚きで少し間が空いてしまった。
「ユウ!?、良かった無事で.....」
「『僕』の方もね。・・・・・・って!、友間は気絶しちゃったみたい」
さすがに鉄の体を持っていたとしてもユウの圧倒的な攻撃力の前では荷が重かったらしく気絶してしまったようだ。
「・・・・・ってかさユウ、僕たちが此処へ来た理由忘れてないか?」
「んっ?.....あっ!、忘れてた!?」
「いやいや、普通何か忘れてたら人を殴らないって」
「でも、まぁ....『僕』が私のためにあんなに怒ってくれるとは思わなかったなぁ〜」
「ち、違ぇよ! ただ...ただ.....。」
「ただ〜、何なのかな〜?」
「僕で遊ぶなっ!、ただ腹の奥底から本気でイラついたからであって・・・・・。」
「スミマセン友間さん、敵に予想以上の苦戦を強いられていまし・・・・・。」
友間を気配を追ってなのか現れたシロ、だが目の前の景色を見るとその場いた全員に一瞬の間が生じたのであった。
「・・・・・殺す...。」
なんともシンプルで分かりやすい言葉だろうか。その分にシロから溢れ出ている自分たちへの殺意を二人は手に取るように実感できた。
「まずいかも『僕』」
「ああ、僕もそう思う」
その夜、若い男女の叫び声が聞こえたとか聞こえなかったとか。
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「んっ、ぅう〜ん.....」
目を覚ました友間がまず見たのはアパートの天井、そして目の端にはシロの姿があった。
「友間さん!、意識はちゃんとありますか!? 吐き気や腹痛はありませんか!?」
「だ、大丈夫だよシロ。それに・・・・。」
体の半身を起こしながら言葉を言いかけた友間だったがボロボロとなったユウ・ダン、それと謎の着ぐるみの人物が視界に入ってきて思わず脳が停止してしまった。
「大丈夫ですか友間さんッ!?」
「あ、えっ? えーと、大丈夫だよシロ」
「いえ、もしかすると風邪を引いてるかもしれませんので私が・・・・・・。」
「ゴホンっ!、ラブラブプレーは良いけど僕たちがいる事も忘れないでよね?」
「ほう、友間さんを傷つけた輩がまだ言うか」
「だから悪かったよ、腕試しのつもりだったんだが僕もマジになり過ぎてたよ」
「ちょっと待って!?、腕試しとかって何の事? 敵じゃなかったの!?」
「僕が敵だと断言した記憶はないよ、ただ敵って事にしてやると言っただけだ」
「××××××、××××?」
謎の着ぐるみが何かを言っているようだが声が着ぐるみのせいで聞き取りにくかった。
「あっ、ここは私が......うん、うんうん...。」
「...?、何て言ってるの?」
「なんか『京八から増援の要請があったから来たんだが、知らなかったのか?』だって」
「えっ、京八が! 京八は無事なんですか!?」
「××××××××××、×××××××」
「えーと『断言はできないが京八の事だ、きっとゴキブリ並のしぶとさで生きているはずだ』」
「なら良いんだけど、まだニコラも戻ってきてないんです」
「××××××××××、×××××」
「『ニコラについては分からないが私は“キグルミ”という、これからよろしく頼む』だってさ」
「どうも、キグルミさん。ところで何で着ぐるみの姿なんですか?」
「××××××××××」
「『世の中には知らなくて良い事もあるものだ』って言ってる」
「そ、そうですか。自分は友間と言います、こちらからもよろしくお願いします」
「・・・・・友間さん、こんな正体も知れない敵に対してすぐ信用するのはどうでしょうか?」
少し不満があるように訴えてくるシロ、しかし信用する選択しか今はないし相手からの敵意も全く感じられなかった。
「大丈夫だよシロ、いざって時にはシロっていう頼もしい味方がいるからね」
「ひゃっ!....。て、照れてしまいました」
そんなこんなで和解したようなムードの五人はまだこの先に疑問を残しながらも話を進める事にした。