ダーク・ファンタジー小説

Re: スキルワールド ( No.9 )
日時: 2019/09/08 19:33
名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)



 京八と友間の二人は大回転しながら何も無い真っ暗な空間へと放り出された。


 「あ〜〜目が回るぜ〜。黒奈は大丈夫か〜?」


 「お、俺もちょっと気分が....ウッ!」


 「.......ようこそ、俺の世界へ...」


 二人は吐き気を催しながらも声のした方を伺ってみると少し短い手足に少々ふっくらとした体形をしている男が立っていた.....いや、浮いているのかな?

 「・・・・・・敵かッ!!」


 「えっ!、京八の知り合いじゃないの!?」


 「こんな奴は俺は知らん!!、スキル『発電』ッ!!」


 京八は手に持っていたコーラを一気に飲み干すと空きのペットボトルを下へと捨ててスキルを発動する。


 「おっし!、殺るか!」


 そう言うか早いか京八は男へと殴り倒す勢いで飛び出していく。


 「俺も.....戦った方が良いのか?」


 ポツン、と残されてしまった友間はそんな事を言いながらも自身のスキルを発動し京八のサポートへと回ることにした。


 「チッ!、外した....」


 「いやいや、外したのではなくて“避けられたんだよ”」


 「ああそうかよ....、ヤァァーッ!」


 「うわぁ〜京八、張り切ってるねぇ.....って!言ってる場合じゃないや!!」


 「チッ!、全然当たらねぇ」


 「じゃあ、そろそろ飽きたから攻撃に移るよ?」


 その途端、気づくと京八の体は吹き飛ばされていた......油断はしていなかった。それに殴り飛ばされたのではなく何かよく分からない力に押し飛ばされたような感じである。


 「い....イテテテ、こりゃあ効いたぁ」


 「京八、ここは一旦逃げた方が....」


 「逃げるって言っても何処に逃げるんだよ?」


 京八は走り寄ってきた友間を見ると暗闇が広がる空間を見回して思わず友間に苦笑いを投げかけてみせる。


 「そ、そうだね」


 「1つ言っておくが、お前ら二人がどんなに力を合わせて俺に向かって来たって俺の一回の攻撃で終わる、そんぐらいなら一度人生をロードし直したらどうだ?」


 完全に下に見られている、そのぐらいは二人も即座に分かる事であった。


 「・・・・・・ぷっ...はっ!はっ!はっ!、冗談だよ悪かったな」


 「「.....へっ?...」」


 突然のカミングアウトに二人はお互いの顔を見合わせて数秒硬直する。そして少しして我に返った様子の二人は同時にまだ少し笑ってる男の方へ首を向ける。


 「いやいやゴメンゴメン、ちょっと小手調べのつもりだったんだけど君達の白熱ぶりにちょっと感化されちゃったのかな?、少しやり過ぎてしまってホント悪かった」


 「おいおい、どういう事だよ?」


 今までのは何だったのかと言わんばかりに問いかける京八、まぁ確かに突然の出来事なのだから文句を言われても仕方ないのかもしれないが.....。


 「まぁまずは自己紹介からだな、俺は『サンタム・スカル・サンズ』だ、気軽に“スカル”って呼んでくれ」