ダーク・ファンタジー小説
- Re: スキルワールド ( No.92 )
- 日時: 2019/01/01 00:14
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
廊下を歩いていた友間一行は上の階からの騒がしい物音に足を止めていた、音は少ししたら止まったのだがどうやら屋敷には大勢の人がいるらしかった。
「友間さん、気をつけて下さい。それから私から離れない様に......。」
「うん、分かったシロ・・・・・。」
ーーバギ.....ッッ..!!
シロの後ろに回った直後、天井が不気味な音と立てて雪崩のように迫ってきたのだ。この時に初めてシロが居てくれた事を心の底から感謝の気持ちが込み上げてきた。
「邪魔だな.........。」
シロは迫ってくる天井を睨みつけると片手で全重量を受け止めて友間の安否を確認した。そして友間の無事が分かると安堵の溜め息を吐いて虫でも払うかのように瓦礫を押し退けたのだった。
「ありが...とう、シロ.....。」
「無事で本当に良かったです、友間さん」
「××××××××××××?」
「えーと、はい大丈夫ですキグルミさん」
勘にも似たような感じで返事をキグルミへと返した友間は瓦礫の中で何かが動いているのが分かった。それは徐々に近づいて来ており数までは分からないがこちらより多いのは確かだろう。
「友間さん。」
「うん、分かってる。性質・・・・・」
「いえ、友間さんは先に行って下さい。ここは私が引き受けます」
「どうしたのシロ?、いつものシロと違うよ?」
「いえ、いつも通りのシロです友間さん。ただ少し暴れるので近くにいるのは危険かと」
「分かった! じゃあ気をつけ・・・・・いや、シロには無駄なお世話かな」
「気をつけて下さい友間さん。それとキグルミ!、友間さんの事を任せたぞ!」
「×××××××××!、××××××!」
「ああ、そうか。なら安心だ」
「何て言ってたのキグルミさんは?」
「何でもありません友間さん、さあ先へ行って下さい」
「うん、分かっ・・・・・うわっ....!...。」
最初の一歩を踏み出そうとする前にシロに体を掴まれ持ち上げられてしまった。疑問を思いながら半分パニックという状態でシロを見てみると可愛く微笑みながらこんな事を言うのだった。
「ニコラの臭いは上の階からします、なのでご覚悟をお願い致しますね♪」
「えっ?、ちょっと待っ....!」
だが友間が何かを言い終える前にシロによって高らかに屋敷の上の階へと投げ出されてしまい軽い悲鳴と共に友間の姿は消えていったのだった。