ダーク・ファンタジー小説
- Re: スキルワールド ( No.96 )
- 日時: 2019/01/19 16:09
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
「お前ェッ!!」
頭に血が上るとは聞いた事があるのだが、それは本当だったようで目の前にいる相手に荒々しくも冷静な足取りで近寄って行った。
(「ぷっ......はははははッ!!、その顔もまた予想通りな反応だぜ!」)
「あ“っ?、何処をまず壊されたいですか?」
目が完全に平常とは言えない友間は口調が少し荒くなりながら相手へと聞いた、だがまだ相手は笑っているばかりだった。
「よし.....じゃあ両脚から...。」
生身のまま前へと飛び出して行った友間、その様子はまさに獅子奮迅と呼べる風貌であり最早もう人間は辞めてそうだった。
(「いいぜ、俺は“鉄”だ。生身のお前じゃ俺に傷一つ・・・・・・」)
「あ”ッ!あ”ッ!あ”ッ!あ”ッ!あ”ッ!あ”ッ!あ”ッ!」
ーーバギッ!!
(「へっ?・・・・・・ぎゃあぁぁああぁあッ!!」)
悲鳴を挙げたのは蹴りを放った友間ではなく鉄である筈の相手自身であった。耳をつんざくような悲鳴を挙げながら頭の中は混乱していた。
(「嘘だろ!、ただの人間だよなコイツは!?」)
よく見てみると友間の片足は折れていた、それも奇妙な形に折れ曲がっており立つ事はできなくなっていた。
(「やっぱり体は人間か、だが俺の方も足を一本持ってかれちまってるな・・・・・。」)
冷静に状況分析をしていた所だったが友間が片足だけで立ち上がろうとしいたのを見ると思わず溜め息を吐いていた。
(「チッ!、あの様子だと何処まで落ちて行こうと俺を殺すつもりだろうな」)
「殺す.....殺す....。」
(「ったく、サッサッと主人の精神でも殺して体の主導権を奪っとけば良かったな。まさか化け物を相手にする羽目になるなんてな」)
だが次の瞬間、頭に激しい痛みを感じて舌打ちをする。そろそろ外の世界の方は時間が迫ってきているようだった。
(「よし!、これは一旦退くしかねぇな」)
そう言って頭を掻いたかと思うと飛びかかってきた友間を尻目に捨て台詞を吐き残すとこの空間から忽然と姿を消したのであった。
(「精々生きてろよ、また会う時まではな」)