ダーク・ファンタジー小説
- Re: スキルワールド ( No.99 )
- 日時: 2019/03/30 12:50
- 名前: マシュ&マロ (ID: R9GAA8IU)
「覚悟しな!、芸術かぶり野郎っ!」
「それは心外の一言に尽きるねぇ......。まあ相手が二人になろうが三人になろうが支障はないけどね」
苦笑いをしてみせるフリスト。それと同時にスキルを発動して身構える京八と友間、そんな二人の様子を見たフリストは肩を落として二人へと近寄っていく。
「おいおいフリストさんよー、俺と黒奈の友情コンボを嘗めてると痛い目を見るぜ」
「別に嘗めてはいないさ、ただの予備動作だよ」
そう言ったかと思うと急な加速で前へ飛び出して行ったフリスト、友間と京八はそれぞれ左右に散ると着地と共に軸足を捻ってフリストに向けて蹴りを放った。
「おっと危ない!、確かに二人のコンビネーションという点では一種の武器になっているね」
「おう!、俺と黒奈ならできて当然だぜっ!」
「だけど、一人さえ潰せばコンビネーションも何もないよね?」
フリストはそう言って自身の背後にいる化け物へと合図を送る、化け物はそれに応えたように友間へと的を絞って巨体による一撃を繰り出した。
友間はそれを当たる瀬戸際で回避すると返答の代わり化け物に一発蹴りを浴びせた、化け物は特に大きなリアクションもなく友間の体を掴むと床に大振りで放り投げた。
「大丈夫かよ友間っ!?」
「だ、大丈夫......これからだよ、これから」
「これ以上、立ってもらうと僕の屋敷が崩れちゃうから遠慮願いたいかな」
「もう壊れるところまで壊れてるんだから良いんじゃねえか?、それに解体費用かからねぇぞ?」
「京八くん、その場合はストラング宛てに請求書を送ってあげますよ」
「は、はは......ホントに届いた場合は恐いかもな、それ」
「ふふふ、本当に届くかもしれませんよ?」
フリストと京八のそんな会話を横目にしていた友間は溜め息を交えながら化け物へと飛びかかって行く、一方の化け物は向かってくる友間を見下して両腕を振り落とす。
それを間一髪で避けてみせると渾身の蹴りを化け物に喰らわせてから再度また態勢を立て直して肘打ちを打ち込んだ。
「全然効いてなさそうだ、というか全く倒せる気がしないな」
「ブゥォォォオオオオーーーッ!!」
「耳が千切れそうだっ!」
「おっ!、一人で良い所を持ってかせはしねぇぜ!」
京八の電気が化け物へと放出され少しだけ後ろへと吹き飛ばした。焼けた臭いと共に焦げ残った肌が現れる、すると化け物は怒ったかの様に叫び声を挙げる。
「おっと、第2ラウンドの始まりみたいだぜ黒奈」
「それは少し遠慮したいかなぁ・・・・・・。」
そう苦笑気味に言った友間は深呼吸を一回すると気合いを入れ直したように化け物を睨みつけた。