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ダーク・ファンタジー小説
- crossroads ( No.17 )
- 日時: 2018/03/21 23:02
- 名前: カコ (ID: hzDRnUrf)
【最終話】
公園で話をした後、2人で警察や私の親に話をしに行った。
警察にはお姉ちゃんは自殺ではなく、不慮の事故だった、ということで処理してもらった。
私はそれ以上のことは何も望まなかった。
親にもずっとノートのことを黙っていた。
お姉ちゃんがいじめに関与してたなんて知られたくなかったから。
本当のことを知った親は泣いていた。
そして、彼を抱きしめた。
ここにいる彼はもう孤独じゃない、そう感じた。
さっきこれでもかというほど涙を流した彼の目がまた潤んでいた。
「ごめんなさい…」
この言葉と一緒に、一粒の涙が彼の頬を伝っていった。
- crossroads ( No.18 )
- 日時: 2018/03/21 23:00
- 名前: カコ (ID: hzDRnUrf)
「ありがとう、来てくれて」
私たちはお姉ちゃんのお墓参りに来ていた。
「俺なんかが来て良かったのかな…」
「お姉ちゃんは喜んでると思うよ。…そういう人だから」
新しい花に替え、水をかけ、お線香をたいた。
二人で手を合わせる。
「いつ私がお姉ちゃんの妹だって分かったの?」
「…初めて会った時、かな。その時はなんとなくだったけど…雰囲気で、もしかしてって…」
まっすぐ前を見つめた彼は、もう一度手を合わせ目を瞑った。
「君が助けてくれた下山拓也は、今こうして元気にやってます。君がくれた命を大切に生きます。ありがとう…本当にありがとう」
運命は残酷だって何度も思った。
だけど違った。
運命が私たちを引き合わせたのは、私たちが正しい道を歩むためだった。
「…ねえ、拓也くん。拓也くんはもう、独りじゃないよ」
風が、私たちの間を通り過ぎた。
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