ダーク・ファンタジー小説

序 ( No.1 )
日時: 2018/03/30 19:06
名前: 篠木蛍 (ID: 6SeEpuIV)

じめじめしていて暑苦しい。
今は1563年。戦の炎がまだ燃え上がっていた時代だ。
ここは上総の森の中。千葉県の南部と言った方が手っ取り早いかもしれない。辺りは暴風と大雨が音を奏でている。
そのなかに、独り静かに佇む男がいた。
「......」
鎧の上に着た赤い羽織が雨で濡れ、風で弄ばれている。そんな事も気にせず、男は空をジッと眺める。
「......神の予言か」
男はソッと呟くと、まるで逃げ出したかのようにその場を立ち去った。早足で。
空は寒気立っていた。

彼は知らない。知る能力もない。
後のこの千葉────『上総』に暮らすものたちが、自分のもとへやって来ることなど。



そろそろ始まる。
2021年の『3人組』と、千葉の将軍『達』の大戦劇が。
君はその物語が、知りたいか?
大戦劇の結末が善なのか悪なのか知りたいか?