ダーク・ファンタジー小説

序 ( No.3 )
日時: 2018/04/02 13:07
名前: 篠木蛍 (ID: 6SeEpuIV)

圭介のコンビニ活動が終わり、一同は車に乗り込む。
「なーんで私がこんな目に......」
「『私』だけじゃないだろ」
後ろの席でめいと海奈が話している。なんだかんだで2人とも、仲は良い。
「コンビニで思う存分暴れたんだ、その代償だ」
圭介がそう吐き捨て、車のハンドルを握る。
「そんじゃ、行くぞー」
アクセルを踏み、一行はコンビニの駐車場から抜け出した。


時は約450年前に巻き戻る。


「今日も雨だー」
「外で遊べねー」
まるで滝のように降る雨を、村人達は不安の目で見ている。
そのなかに、1人家から出ようとする子供と、その子供をひき止める母親がいた。
「ちょっ、母ちゃん放せやい!」
「こんな雨のなか遊ぼうとする馬鹿がどこにいるってんだい!」
「義明と遊ぶんだもん!」
「まーた義明様の時間を盗りおって......なーに考えてんだい!」
「遊ぶんだぁい!!」
じたばた暴れる子供にカチンときたのか、母親は子供の頭を一発叩いた。
パチン、と音が響く。
「義明様は忙しいんだよ!少しは考えれ!」
母親に厳しく言われ、子供は泣き出してしまった。
その子供の泣き声をかき消すように、遠くから雷鳴の轟く音がした。


時代は再び2021年へ。


「よし、ここだ」
車から降りて、圭介は大きくそびえ立つデパートを指差した。
「ちゃんとポテチ買えよ」
めいが口を尖らせる。圭介はハイハイと適当に返すと、デパートの中へと入っていった。