ダーク・ファンタジー小説
- Re: survive -5日間のデスゲーム- ( No.17 )
- 日時: 2018/08/15 22:42
- 名前: かめのて (ID: zKALihrN)
【一日目〜12:50〜】
昼食は食パンとベーコンエッグ、それとトマトサラダというシンプルな物だった。
食事を作った料理部所属の篠宮蘭いわく、食料は全て調理室にあったらしい。
「量的には、節約していけば何とか5日間持ちそうなくらいだよ。けど、全員分の食料を計算して作るのは大変だったかなー」
麻衣がいたら、少しは楽だったかな、と蘭は寂しそうに笑っていた。
21人全員で昼食をとった後、洗い物をする蘭と、それを手伝う彼女の親友、星見月を待った後、信一はシャープペンシルとメモ帳を取り出した。
「…とりあえず、発見したことをまとめていこう。まずは、何階に何の部屋があったか、から」
さっきまで落ち込んでいたが、別人のように元気になりみんなをまとめだす信一の姿に、まひるや涼介は安堵する。
が、一番安心していたのは、意外なことに彼を励ました本人である美々だった。
__ひょっとしたら、あたしの不器用な励まし方のせいで余計に塞ぎこんじまうかもしれねーと思ったが…。やっぱり、委員長だな。
美々はひっそりとそう思った。
まとめた結果、
一階…昇降口、職員室、校長室、職員用トイレ、保健室、更衣室、シャワー室、宿直室、体育館へ続く外廊下
二階…通常教室×4、調理室、被服室、美術室、生徒用トイレ
三階…通常教室×2、図書室、理科室、視聴覚室、放送室、音楽室、生徒用トイレ、屋上へ続く階段
があることがわかった。
「…見た感じ、中学校っぽいよな。小学校にしては机が大きいし、高校にしては校舎が狭い」
信一が即興で描いた見取り図を眺め、亮が呟く。
「…あ、でもね、いくつか開かなかった所もあるんだ」
由美子が見取り図を指しながら言う。
「私の班が担当した二階にひとつと、美紀ちゃん達の班の担当した三階にふたつ…」
「…後、俺と七瀬が調べたんだが、別館へ通じているらしい扉があった。多分職員室にでも鍵があるんじゃないかと思うんだが…」
信一は頷きながら見取り図に書き込んでいく。
「三山くん。ちなみに、屋上への扉は開いたの?」
書きながら、顔を動かさずに恵悟に尋ねる。
「…いや、わり、確かめてねえんだ。あの“声”が、『外に出たら死ぬ』って言ってたしさ…。一応校舎内だろうとは思うけど…」
恵悟が茶色に染めた頭を掻きながら答えると、彼の腕に抱きついている美紀もうんうんと頷いた。
「ううん、いいんだよ。…誰だって死ぬのは怖いよ」
信一は呟くように言う。
「なあ、ちょっと良いか?」