ダーク・ファンタジー小説
- Re: survive -5日間のデスゲーム- ( No.18 )
- 日時: 2018/08/15 23:18
- 名前: かめのて (ID: zKALihrN)
声のした方に一同が顔を向けると、井上海斗が睨み付けるような視線を送っていた。
「三山、お前、『ウラギリモノ』じゃねえだろうな?」
「は…?何言ってんだよ海斗…?」
困惑する恵悟を海斗は鼻で笑う。
「校舎内だろ?何で屋上をそんなに警戒するんだ?」
「はあ?それは万が一の可能性を考えてだな…!」
「いいや、違うね。お前がウラギリモノだから、屋上に出たら死ぬと知っているんだろ?」
クラスメイト達は皆顔を見合わせる。
元から井上海斗には人間不信の気配はあった。
けれど、まさかこんなところでそれを発揮するなんて…。
「お前がウラギリモノだろ、三山恵悟。…そうだ、お前が九条と別行動をとって笠原達を殺したんだろ?九条は彼女だからな、口裏を合わせることだって出来るはずさ…」
「お前いい加減に…!」
「それとも逆か?九条がウラギリモノで、三山は可哀想なことに利用されてんのか?」
「やめなよ、井上くん…」
思わず立ち上がり、なだめようとした信一に向かい、海斗は叫ぶ。
「そうか!委員長がウラギリモノだったのかぁ!!それでこんな班分けにして、あの二人を殺したんだな!!」
「違うっ…!」
反論しようとした信一に、海斗はニヤニヤと笑いながら近付く。
「違うのか?違うとしてもな、笠原と小川が死んだのは、班分けをしたお前のせいだぞ?」
「っ…!!」
「お前が殺したんだよ、呂畑信一」
「てめええっ!!!」
美々が海斗につかみかかろうとした瞬間だった。
『もりあがってますねー、みなさん』
「!!」
また、体育館で聞こえたのと同じ“声”が響いた。
『ここでひとつ、教えておかなきゃいけないことを思いだしました!』
海斗も美々も、その場にいる全員が止まり、放送に耳を傾ける。
ゲームマスターの発する言葉を、一言一句聞き逃さないように。
『この学校には、ウラギリモノのほかに【サツジンキ】がハイカイしていまーす!その人数、なんと四人!』
「っ…!!」
まひるはあげてしまいそうになった悲鳴を必死に堪える。
『もうひとつつたえることは、このゲームのおわりかた!6日目になるか、【ウラギリモノ】をコロした瞬間に放送が流れて、『以上でゲームをおわりまーす』とつたえます!それと、おわりかたじゃなくて、いわゆるボーナスポイントみたいなものなんだけど、【サツジンキ】をコロしたら放送が流れて、なんと“ウラギリモノが誰なのかのヒント”をおしえちゃいまーす!』
「ヒント……?」
堪えきれず、涼介が呟く。
『ですのでみなさん、ぜひぜひコロしちゃってくださいねー!まあ、コロされるのがオチでしょうけど。ハハハッ!』
それだけ伝えて、放送は切れた。