ダーク・ファンタジー小説
- Re: survive -5日間のデスゲーム- ( No.21 )
- 日時: 2018/12/12 20:27
- 名前: かめのて (ID: zKALihrN)
【1日目〜13:40〜】
まひる達は担当することになった二階を歩いていた。
先頭の涼介に、まひると月が続き、女子二人の背後を守るように正が最後尾に付いた。
「…戸沢くん、気をつけてね」
まひるの言葉に、涼介は少しだけ振り向き、頷いた。
「…………呂畑はああ言ってたけど、仮に殺人鬼に会ったとしても、逃げ切れるのかよ?」
正の問いかけに、涼介はわからない、と答えることしかできなかった。
「………あの、さ」
と、急に月が発言した。
その声に三人の視線が一気に集まり、月は少し赤くなる。
「どうしたの、星見さん?」
まひるに聞かれ、月はおずおずと言い出す。
「…と…トイレ、行きたいんだけど…」
「…………はあー」
正はため息をつき、言う。
「何だ、そんなことかよー」
「そんなことって何よー!男子二人の前で言うの結構恥ずかしかったんだからねー!!」
「星見、声でかい」
「あ、ご、ごめんりょーちゃん…」
慌てて口を押さえる月に、まひるはクスリと笑う。
「星見さん、気付かなくてごめん。一緒にいこう」
「おーい、俺らは?」
「檜村くん達はちょっと離れた所で待ってて」
さ、いこ、と、まひるは月の手を引いた。
約四分後、トイレの近くの曲がり角で涼介と正は二人を待っていた。
「女子ってめんどくせーな。男はどこでも構わず出せるのにな」
「…ちょっとは構え」
二人は無駄話をしていたが、急に正は黙りこんだ。
「………檜村、どうした?」
「…………………あのさ、戸沢」
一拍置いて、正は聞いた。
「戸沢は、誰が【ウラギリモノ】だと思う?」
「……………………………俺は」
頭の中で、一番差し当たりない答えを弾き出し、言う。
「…実はウラギリモノなんて俺達を争わす為の嘘で、最初から、脱出方法は5日間待つしかないんだ、と思ってる」
「…………そっか。それなら、いいな」
「わざわざ聞いてくるってことは、お前は違うのか?」
「…ああ……怒らないで聞いてほしいんだけど」
正は、涼介を見つめ、言う。
「ウラギリモノは、呂畑だと思ってる」
「え?」
「ごめんな。でも、だって、こんな状況であんなに冷静なの、おかしくないか?」
「…別に、あいつだって冷静な訳じゃ…」
「………そう、だよな。みんな混乱してるよな。ごめん、本当にごめん。友達疑うなんて、最低だよな、俺…」
「…いや、いいんだ。井上の発言に引っ張られたところもあるだろうし。…こんな状況じゃ仕方ない」
その時、トイレのある方の廊下から足音が聞こえた。
「…七瀬さん達かな?」
言って、二人は顔を出してトイレ方面の廊下を見る。
二人が見たのは、
こちらに向かって歩いてくる、手に血だらけのマチェットを持った、狐の面を着けた男だった。