ダーク・ファンタジー小説
- Re: 人狼 〜オワラナイ悪夢〜 ( No.3 )
- 日時: 2018/07/01 17:34
- 名前: 中二病乙! (ID: vGlhfp41)
第1章 終わりの始まり
1話『ようこそ、人狼の館へ。』
——————ここは私立神田川中学校一年二組。
授業中の張り詰めた緊張感がぷっつり切れ、教室内には明るい声が飛び交う。田嶋優香は、教室のことも気にせず次の授業の準備を始めた。そこに、志摩亜衣が駆け寄ってくる。
「優香!今日も真面目ちゃんかぁー?別に先生居ないんだしはしゃいじゃおーよ!」
「だ、だって…。」
優香は、窓際でたむろっている男子達に目を向けた。
「あの男子たちみたいに馬鹿してたら皆に睨まれるし、美紀にだって飽きられちゃうよ?」
と話していたら、ツインテールをフリフリ揺らして早稲田莉唯菜が近づく。
「優香ちゃん!莉唯菜達とお話ししよ?」
と優香の腕を引っ張って、莉唯菜はグループが同じと思われる女子達の元へ行ってしまった。
「ねぇねぇ、優香ちゃん、志摩のこと、どぉ思ってる?莉唯菜、しつこくってうるさいなぁって思うんだけどぉ、ねぇ?皆?」
と、グループの皆に共感を求めた。すると、うんうんと頷きが発生する。
「あーあ、うざい人を殺したいなー!そぉしたら、志摩に優香ちゃんとられないもん!」
莉唯菜は冗談混じりで言ったのかもしれないが、優香には気づいた。
このあと、とんでもないことが起こるんじゃないか…と。
数学の自習中、皆が黒板の課題に取り組んでいるときに、教室全体に違和感が起きた。蛍光灯がチカチカちらついたり、窓の外の景色がおかしくなったり。優香の隣の男子が、震える手で、黒板の方を指差し、優香に言った。
「お、おい、田嶋!あれ…見ろよ…!」
優香が黒板をみると同時に、異様に強い眠気が襲ってきた。
「な、なにこ…れ…おっ…おか…しくな—————。」
優香は、まもなくして気を失った。うっすら目を開けようとすると、鎌のようなものをもった人のシルエットがぼやけて見え、それ以上の特徴は掴めなかった—————。