ダーク・ファンタジー小説

Re: ユウとダン〜第一章〜 ( No.9 )
日時: 2018/10/18 22:45
名前: MRK (ID: hi4BpH9d)

《通常パート》
「よし、服も買ったし、昼ごはんでも食べにいく?」
「うん!今日は、ラーメンがいいな!もちろん、個別で払うから大丈夫。」
私たちは昼食を取りに、ラーメン屋に行くことにした。ダンはカード払いの方が多い。
「『僕』、ちょっとあれだけど、現金もちゃんと持ってる?前の時はカード払いできなくてあたふたしてたけど…」
「今日は持ってきたよ。ほら!」
そう言ってダンは1万円札を見せる。本当に持ってるっていうのは分かったけど、ここで見せるとは思わなかった。
「いや、見せなくていいって!まあ何はともあれ、いただきます!」
昼食も済まし、まだ時間がある。私は1回家に帰って準備をするか、カラオケに行くか迷っていた。
最近は娯楽施設も行っていないし、そんなのもいいかもしれない。ということで、私たちはカラオケに行った。
・・・・・・
カラオケは特にふざけることが無いまま終わるかな、と思ったけど、現実はそう甘くない。
「〜♪…?あれ…キーが変わってる…もうっ!また『僕』の仕業なの?プンプン!」
「あちゃー、バレちゃったか。わかったから、今元に戻すって。」
私が怒ったのを気にしたのか、ダンはキーを元に戻す。そうすると、今度は私の好きなデュエット曲を入れ始め、斜めだった私の機嫌が元に戻った。
そして、あっという間に2時間が経過していった。
「って、もうこんな時間!そろそろ準備しないと!」
もうすぐ夜のパトロールが始まるため帰宅し、準備をした。

Re: ユウとダン〜第一章〜 ( No.10 )
日時: 2018/10/22 07:04
名前: MRK (ID: Ql2tRr6x)

そろそろパトロールの時間だ。そういうことなので、私たちは準備を済ませて外に出る。
「真夜中はやっぱり暗いね。何か幽霊とか出てきそう…」
「幽霊は確かにいるけど、結構フレンドリーだったりするんだぜ?怖がらなくていい。」
そう話していた時に、誰かにぶつかった。
「いてっ!あ…大丈夫ですか?」
「え、ええ…大丈夫よ…」
誰かな、と思ったけど、ダンはわかっていた。
「あなたは確か、紺乃さんだったっけ?僕はダン、ユウのドッペルゲンガーさ。」
「まあ!噂のドッペルゲンガーね!…でも、何で私の名前を?」
ダンが紺乃さんに言う。
「ユウが言ってた。内気だけど優しい人だって。でも…内気過ぎるんじゃないかって僕は思う。だから結婚出来ないんだよ…」
「それは言っちゃだめ、『僕』!」
「ちょっと、何言ってるの!? いくら結婚出来なくて30代目前にしてる私でも、それは失礼よ!」
ダンは言い過ぎたと感じ、紺乃さんにペコリと頭を下げた。

Re: ユウとダン〜第一章〜 ( No.12 )
日時: 2018/11/05 06:56
名前: MRK (ID: 7m3//6LO)

「紺乃さん、能力を上手く使ってパトロールできる?」
「ええ、いいわよ?ここは役に立てそうね!」
紺乃さんはいつになくやる気だった。私たちは私たちでパトロールを始めることにした。ダンがいてくれるから少しは大丈夫だけど、やっぱりビビってしまう。
「『僕』は大丈夫なの?すごいな。」
「ユウがビビりなだけじゃないの?そういえば、最近夜中から昼にかけて『メガネをかけたキグルミ』がいるらしいけど…」
少し寒気がした時、紺乃さんが戻ってきた。
「…『メガネをかけたキグルミ』、今いたわ。チェーンソーと剣を持ってて…」
「へっ!?…ま、まあ、ついていってみるしかないね!」
そうやって「キグルミ」の後を追おうとした時、私と同じくらいの女の子の声が聞こえた。

「…そこに、誰かいるの…?」

Re: ユウとダン〜第一章〜 ( No.13 )
日時: 2018/11/12 22:51
名前: MRK (ID: QNccqTkk)

声が聞こえた先にいたのは、キグルミだった。
「…………!?……!」
キグルミは少し驚きながら、私をめがけて攻撃してきた。紺乃さんを避難させて、私はすぐさま戦闘態勢をとる。
「ちょっと!?攻撃するなら先に言ってよ!もう、いくよ!」
私は無意識に全力で攻撃していた。拳が直撃したのに、キグルミは少しも怯む様子を見せず、むしろ笑い声が聴こえる。
「……キャハ…ハハハハ……アーッハッハッハッ!」
(この声…どこかで聞いたことがあるような…?)
そんなことを思っていたが、攻撃は止まらない。
避けるのが精一杯で防戦一方だった時、ここでダンが活躍する。
「僕のことを忘れてた?攻撃をガントレットでガードして、ほいっ!ユウ、後は頼むぜ。」
ウサギのキグルミが取れて、キグルミの素顔が見える。その正体は、私の友達の「綾咲奏あやさきかなで」だった。
「…奏ちゃん!?奏ちゃん、久しぶり!さっきはごめんね、むきになっちゃって。」
「ううん、最初に仕掛けたのは私の方だから謝らなくていいよ、ユウちゃん。…あれ?頭は…うーん…」
「まさか、『僕』がそのまま持ってって紺乃さんを…?」
こういうところがダンの短所なのかも。そう思い、私は奏ちゃんと話すことにした。

Re: ユウとダン〜第一章〜 ( No.16 )
日時: 2018/12/20 22:54
名前: MRK (ID: 2bESk3K2)

「奏ちゃん、最近はどうなの?姿は変わってないけど…」
昔から奏ちゃんは髪が長くて、メガネをかけている。それも、私が小学生の頃からだ。
「ユウちゃん、少し恥ずかしいな。こうやって友達と一緒にいる時でもギャリギャリしそうだし…だからいつもはウサギの着ぐるみの姿なの。あと、よくわからないけどこの時は能力が変わるみたい。」
誤解も解けたみたいだし、「メガネをかけたキグルミ」が奏ちゃんだったから安心した。
「…そろそろ日を跨いじゃうから、帰ろっか。あ、私の家にとまってもいいよ!」
私は奏ちゃんを私の家に送った。紺乃さんについてはダンも分かってるだろうし、多分大丈夫。