PR
ダーク・ファンタジー小説
- Re: 死に行く街に朝は来ない【短編集】 ( No.2 )
- 日時: 2019/03/30 01:34
- 名前: 戌亥 (ID: 3OoKbooX)
硝煙と血の香りが意識をゆるく覚醒させる
そうだ、たしか僕は撤退命令を受けて分隊長や仲間達と一緒に逃げていたんだ。
必死にあのゾンビ達から逃げて走って
分隊長に足を撃たれたんだ。
仲間を助けなければ。と、体を起こそうとするが腕に力が入らない
銃は既に打ち尽くされ、残弾も残っていなかった
助けてくれ!開けてくれ!と叫ぶオスカーの声。ロッカーの上に逃げようとしたマルコがゾンビ達に引きずり落とされ食われていく音。
ああ、僕も食われるのか。
出血が酷いのか迫る死への恐怖なのか悪寒が背筋に走る。
意識が薄れる中、ニヤリと笑うゾンビと目が合う。笑っているように見えたのは口が頬まで裂けていたからなのかもしれない
僕のはらわたをゾンビ達が貪り食う中不思議と痛みはなく、薄れ行く意識の中耳に入るのはオスカーの悲鳴に似た咆哮と劈くような爆発音だった
PR