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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 死に行く街に朝は来ない【短編集】 ( No.3 )
- 日時: 2019/04/17 02:23
- 名前: 戌亥 (ID: 3OoKbooX)
人が何故昔から『犬』をパートナーにしていたか知ってるだろ?
『馬鹿』で『単純』で『忠実』だからだろうが
俺の周りには昔から『犬』が絶えず傍に居た
時には甘ったるい声で俺に媚を売り、又ある時はキンキンした小煩い声で敵に吠え、犬同士で威嚇し合う
邪魔でうざったいけれど役には立つんだよな
『あの時』もそうだった。腐った死体共が家に押し入ってきた時も『犬』は必死に俺を庇ってくれた
だから、必死に別の『犬』の所へ逃げた
逃げた先の『犬』は銃を持っていた。
でも、『犬』に銃は要らないと思ったから奪い取ろうとしたらキーキー騒いで銃を離さない
何が『止めてよ』だよ。クソうるせぇな。
ムカついたから包丁で腹を刺して弱らせてから、銃を奪って囮にしてやった。飼い主に噛み付く犬だから捨てられたんだよ。ざまあみやがれ
ある日、腐れ死体共から逃げていると死体の中に見覚えのある奴がいた。
腹に包丁が刺さっていて、所々桃色の爪が剥がれた奴だ
遂に腐りやがった。飼い主に噛み付く所か腐って理性すら失ってやがる
あまりにもムカついたから頭をぶち抜いてやった。なのに
死んだ『犬』の体がバキバキ割れる。割れて皮膚が剥がれて筋肉が剥き出しになる
俺を見て、吠えて、喉に噛み付いて
痛い。痛い。あいつが、犬が、スープを啜るように腹に顔を突っ込んで、じゅるじゅる、って、音が
いたい、なんで、なんで。俺に従うだけのばかないぬが
ああ…こいつ、いぬじゃない。
こいつ、否、こいつらは
女だ
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