ダーク・ファンタジー小説
- Re: 平凡でありたいギャング ( No.1 )
- 日時: 2019/04/22 18:30
- 名前: 枢 (ID: s00TEuml)
静岡県民では想像できない非日常が大都会にはあった。ここに引っ越してきた時点で既に
西園寺瑠理は非日常に足を突っ込んでいることに彼女は分かっていない。まず彼女を襲った
非日常は情報屋を名乗る青年との会話から。久遠寺成也は情報屋を名乗り瑠理に色々情報を
提供することを約束した。
久遠寺「そうさ。俺は君が知りたい情報を全て提供してあげる」
西園寺「はぁ…それは有難いんですけどいいんですか?私、ここの事なんて少しも」
久遠寺「ははっ、いいのいいの。俺がそうしたいからそうしてるだけだしね。あ、良いこと
教えてあげるよ。カラーギャングっていうの知ってる?」
イメージカラーを身に着けている不良集団をカラーギャングと言う。それは知っていたので
西園寺瑠理は頷いた。
久遠寺「その中に無色、正確には無彩色をイメージカラーとするカラーギャングの
フリーダムってのがいるんだよね。丁度君みたいな子を探してたみたいだから」
久遠寺は笑った。
久遠寺「君の情報、うっかり渡しちった☆」
西園寺瑠理の驚きの叫びが反響した。うっかち渡しちった☆、じゃないぞ!
久遠寺「あ、因みに僕もそこに所属してるんだよねぇ」
西園寺「いや聞いてませんけど…」
これで完璧に非日常に飛び込んでしまったわけだ。さらに彼女は人生初ギャング集団の一員に
なることになってしまった。そんなヤバそうなところで普通で平凡な西園寺瑠理は果たして
ちゃんと日常を過ごせるのか—!?フリーダムの面子は至る所にいるらしい。学生、レストラン、
デパート、さらに警察までいるとかいないとか…。その中の数人と瑠璃は待ち合わせしていた。
???「オイお前がクソ久遠寺が言ってた西園寺か?」
西園寺瑠理は目を見開く。待て、バイクは一台100㎏を超える重量だ。そのバイクを金髪グラサンの
青年は片手で担いでいる。そんなホストみたいな恰好をした細身の男が、だ。
???「風祭、バイクなんてその辺に捨てとけ。彼女を怖がらせてどうする」
白髪の男がバイクを担いだ青年、風祭にそう言った。風祭はバイクを投げ捨てる。
???「すまないな風祭友希は怪力でね。俺は設楽厚平、フリーダムのリーダー」
西園寺「え!?カラーギャングのリーダー?」
こんなアイドルみたいな人が?もっと強面で大柄な大男を予想していた。予想外で驚き反面
安心感も出てきた。さらに彼らの後に続きフルフェイスのヘルメットを被ったライダースーツの
女性が現れた。
風祭「お、シルヴィ」
設楽「彼女は首無ライダーのシルヴィ、名前の通り首から上はないよ。でも彼女は常識人で
優しいから悩んだときは頼ると良い」
首無ライダーって…私が知ってるあの本のデュラハンみたいだ…そんなことは置いといて
彼女の存在に西園寺瑠理は更に驚いた。