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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 異世界戦争 ( No.2 )
- 日時: 2019/04/30 15:14
- 名前: Nahonn (ID: 3nlxUYGs)
今日は、イリミア国との対戦だった。俺は、いつも着ている防弾チョッキ着きの少年兵の服を着た。最後にブーツやズボンの両端、ジャケット、胸ポケットなどに手榴弾や短剣、拳銃に小型の麻酔銃などを忍ばせて、仲間から剣を受けとるとようやく俺は部屋を出た。これでも、いつもよりは軽い方だ。…つまり、今日は俺の命日…ということになる。
というのも、昨日俺が王の反感を買ったからであろう。この世界で二位という強さを持つイリミア国に、こんな軽装でしかも少年兵だけの数ならば一人のみ、という状況だ。死んで下さい、と遠回しに言われているのに等しい。
それは、この場にいる誰もがそれを察しているに違いない。それでも悲しむ人が一人もいない。それがこの少年兵という世界の暗黙のルールだ。『死を恐れるな。悲しむな。国の為死ぬのが我らの本望である。』そう俺らは刷り込まれて来たのだ。今さら生きようとは思わない。
こうして俺は今日も最前線へと立ち上がった。
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