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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 異世界戦争 ( No.6 )
- 日時: 2019/05/23 20:07
- 名前: Nahonn (ID: 3nlxUYGs)
「しっかし。俺をここに捕まえたって、この国には第一王子がいるだろ?。」
そう言って彼は欠伸をした。本当に興味が無いらしい。
「はい。ですので、大事な王族の血筋として……。」
そう言いながら、王が亡くなり上にふんぞり返っている大臣達を思い浮かべていた。きっと、第一王子と第二王子を争わせて、長く王の座に居座るつもりなのだろう。そうゆうところが嫌なのだ。
「なぁ。」
ふと、声を掛けられた。ぽぅっと前を見ている彼は幼さを残した16才の顔つきだったが、随分大人っぽく何かを見据え、呆れ果てているようにも見えた。
−貴方には、私には見えない何かが見えているのですか?−
思わず口に出しそうになった言葉に思わず蓋をした。
「いつからこの世界は壊れ始めたんだろうな?。」
彼からすれば他愛もない言葉だったのだろう。此方も見ずに窓に止まった鳥を見つめていた。その鳥が羽音を発てて飛び立つと、あ、という感嘆の声を上げた。
それで、今までの感情を思い出す。この感情は……………………ただの恐怖だった。見透かされる恐怖。あの頃と全く変わってしまった恐怖。ただ丹に、敵への恐怖。その全てが、ただの恐怖心だったことに気づかないなど…。
「お前も大変だよな。利用されてることを知っていながらも、ほっておく。」
「それ以外にどうしろと?。」
思わず、口答えをしてしまった。まるで思春期の少年のように。
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