ダーク・ファンタジー小説
- Re: 異世界戦争 ( No.7 )
- 日時: 2019/05/27 15:48
- 名前: Nahonn (ID: 3nlxUYGs)
ライアsaid
「お前の上の魂胆は、『少しでも時間を稼ぎ、暫く王の座に就き国民からの信頼を子削げとる』ってとこか?。」
幼稚で浅はかな考えだ。そんなことをするところから、前王が良かったのだろう。もう其処からこの女の上は王に二度と就くことなど出来ないだろう。
「そうです。よく分かりましたね。」
ニーナはめんどくさそうにそう言った。これが彼女の本質なのだろう。
「それでは。貴方は王になる気などない、ということですね。」
俺は頷いた。ニーナは立ち上がる。俺を真っ向から見下ろした。少年兵特有の気が辺りを覆っている。
「それでは、貴方はこの少年兵の一員として過ごしてもらいます。影武者はこちらで用意しました。」
ニーナの声と共に十数人の少年兵が現れる。そのすべての少年兵は窓側の少年兵は遠距離用の銃や拳銃、壁側の少年兵は比較的近距離用の武器を持ち、壁にピッタリとくっついていた。よく訓練されている。Dくらいだろう。
「直ぐに服を脱いで、替わってちょうだい。」
「ああ。分かった。だが、ニーナはこれをしてなんになる?。」
ニーナは目を反らした。何か知られたくない事なのだろう。それを肌で感じた。そんな彼女に気を配りながらも俺は服を脱ぎ始めた。
「私は、王族だった。」
急に何を言い出すかと思いきや、彼女はそう言った。予想外の答えに俺は彼女を振り返った。
「ライアがあの国に連れ去られて、私の一族は惨殺され、私だけ少年兵として務めることになった。」
言っていることから見てニーナは俺を恨んでいると思ったが、その目は憎悪に包まれてはいなかった。憎しみが何も生まないのを知っているようだ。彼女なりに悩んで、苦しんで出した答えなのだろう。
「貴方には、希望がある。父を、母を、姉を、兄を殺したあいつらに鉄槌を下してくれるって。ここにいる私の部下も同じように、家族を殺された。」
"復讐"より明るく、"希望"にしては暗い言葉だった。