ダーク・ファンタジー小説

Re: ゴーストトレイス ( No.4 )
日時: 2019/10/14 21:41
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

霊障対策課には霊が視える人間、霊能力を持つ人間…多くの現実離れした人間が
いる。そしてその中でエトは一番現実的人間。職場についてから知ったこと、憑依系の
霊能力者は能力が暴走することがあるということである。慕ってくれて尊敬してくれる
部下の中にも鬼が憑いている青年がいる。鬼道院夜叉丸、という人物である。

「へぇ…こういうのでも封印することが出来るんだね」
「そうですね…過去に槐に殺されそうになったことがあって…」

体に残された紋様、それは槐を縛る鎖と言ってもいいだろう。鬼を拘束するものを
描いたのだから相当な霊能力者であることに違いない。

「殺されそうに?あ…あんまり深く入り込まない方がいいよね。ごめんね夜叉丸君」
「いいえ気にしないでください。それに何となくエト先輩には色々周りに話せないことが
話したくなります…」

彼の過去、どんな感じなんだろう。さっきの短い会話で何となく察しはつくが…。
それは数年前、青年ではなく少年時代に遡る。